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2012年8月11日(土)

消費税増税法案などに対する

市田書記局長の反対討論

参院本会議

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 消費税増税法案などに対し日本共産党の市田忠義書記局長が10日の参院本会議で行った反対討論は次の通りです。


 私は日本共産党を代表して消費税増税法案をはじめ8法案に反対の討論を行います。

 まず、国民多数の意思に反して本法案を強行しようとする民主・自民・公明3党に、満身の怒りをこめて厳しく抗議するものであります。どの世論調査をみても、主権者である国民の過半数は、消費税増税に反対し、今国会での採決反対の声は6割にも達しています。この声を真っ向から踏みにじる行為は、議会制民主主義の根幹を揺るがす暴挙以外のなにものでもありません。

 この暴挙は、総選挙で「4年間は消費税をあげない」と公約した民主党と、その民主党を公約違反と批判しながら公約違反をけしかける自民・公明による密室談合によって推し進められました。これらの諸党に民主政治を語る資格はありません。

 本法案に反対する理由の第一は、国民の所得が減り続けているなかでの増税はありえないからです。本来税は、その所得・負担能力に応じて課税されるものです。この原則に真っ向から反する、ここに多くの国民が今回の増税法案に反対する根拠があるのです。

 第二に、この増税が、所得の低い人ほど負担が重くなるという、消費税が本来持っている逆進性を一層拡大することになるからです。給付つき税額控除や軽減税率などは、もともと小手先の目くらましにすぎませんが、それすら具体的対策はなんら示されてはいません。本気で低所得者のことを考えるというのなら、消費税の増税をしないことが一番の対策ではありませんか。

 第三は、日本経済を根幹で支える中小企業に決定的な打撃を与えるからであります。消費税が現行の倍になれば、いまでさえ消費者や取引先大企業に価格転嫁できず、身銭を切って消費税を負担している中小企業は、負担に耐えられず、廃業に追い込まれるところが続出することが、質疑を通じて明らかになりました。しかし政府は、「検討する」というだけで、これも具体的な手立ては何一つ示すことはできませんでした。

 第四に、本法案の強行を許せば、日本の経済と財政に取り返しのつかない大打撃を与えることが明らかだからです。長期にわたって国民の所得が減少し、デフレが続くもとで、消費税10%と社会保障切り捨てなどで20兆円もの負担増を国民にかぶせたら、日本経済をドン底に突き落とすことになることは、火を見るよりも明らかです。それは、1997年の消費税増税を引き金とした大不況で、税収が落ち込み、財政危機を悪化させた歴史が証明しています。

 第五に、本法案が「社会保障と税の一体改革」をうたいながら、実際には「公共事業と税の一体改革」ともいうべきものになっていることです。

 「一体改革」に並ぶメニューは何か―。年金給付の減額、子ども手当の減額、医療費の窓口負担増、介護の負担増など、改悪ばかりが目白押しです。さらに、民自公の3党合意によって持ち込まれたものは、国民に「自助」「助け合い」を押し付け、憲法25条がさだめた社会保障への国の責任を放棄する、社会保障解体法案ともいうべきものでした。それどころか、増税でつくる財源を「打ち出の小づち」とばかりに、高速道路、巨大港湾など、大型公共事業にまわす条項をわざわざ増税法案の付則に盛り込んだことも明らかになりました。

 以上、国民のくらしと日本経済、財政のことを真剣に考えるなら、どこから見ても本法案は廃案以外に道はありません。

 たとえ国会の多数の力で法案を強行しても、それを国民の中に押し通すことはできません。日本共産党は、消費税に頼らない別の道を示しつつ、大増税ストップのため最後まで全力をあげて奮闘することを表明して、反対討論を終わります。


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