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2012年8月10日(金)

巨大堤防、本当に必要?

計画に戸惑い 市民ら勉強会

宮城・気仙沼

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 国や宮城県、気仙沼市などが進める防潮堤建設計画をめぐり、気仙沼市民有志が設立した「防潮堤を勉強する会」の第1回勉強会が8日、同市内で開かれました。


写真

(写真)市民有志による防潮堤勉強会=8日、宮城県気仙沼市

 事務局の菅原昭彦氏は、行政側の手続きが着々と進められる中、住民も基本情報を整理し、行政の説明を理解した上で納得した結論を出すことが必要だと語り、「孫子の代にどうやって決まったのか、説明できるということを目的としていきたい」と会の設立趣意をのべました。

 県土木部河川課の門脇雅之課長が、防潮堤建設計画の基本的な流れやルールを説明。畠山和純(かずよし)県議(自民・県民会議)が、同計画について県議会で取り上げてきた経緯を語りました。

地図

 畠山県議は津波で流された自宅があった唐桑町鮪立漁港を例に、俯瞰(ふかん)した写真をスクリーンに映しながら、「約10メートルの堤防でこの漁港が囲われるということになる」と説明すると会場から驚きの声があがりました。「地区の人100人中99人は(防潮堤の建設は)困ると答えている。生活空間と産業の継続、景観と自然を大切に残していくべき場所ではないか」と語りました。

 参加した50代の女性=市内神山在住=は、「防潮堤の高さに、市民は大変戸惑っている。まちづくりと防潮堤は別問題と、縦割り行政の中で進められて大変な反発がある。縦割りでなく、きちんと連携してもらいたい」と話しました。

合意なく進む計画

 東日本大震災の大津波を教訓に、今後の津波対策の基本的な考え方を国の中央防災会議の専門調査会が発表したことを受けて、2011年9月から10月にかけて宮城、岩手、福島の被災3県で海岸堤防の高さが決められました。

 リアス式海岸で津波が高くなる気仙沼市沿岸では、“頻度の高い津波”で最も高かった明治三陸津波(1896年)級に備えるとして、最高14・7メートルの高さが決まりました。

 同市は、12年7月11日から29日にかけ市内12カ所で市民説明会を実施しました。住民との十分な合意もなく進められる計画に不安や戸惑いの声が上がっています。


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