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2012年8月10日(金)

民自公増税連合に不信任を

野田内閣「五つの大罪」を告発

内閣不信任案、衆院本会議 志位委員長が賛成討論

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 民主、自民、公明の3党による消費税増税法案の採決を阻止するため、日本共産党など野党7党・会派の合意で衆院に提出された野田内閣不信任決議案が9日の本会議で採決されました。民主党など与党の反対多数で否決されましたが、民主党や、欠席を決めた自民党からも賛成票が相次ぎ、深刻な矛盾が浮き彫りになりました。議員面会所などには消費税廃止各界連絡会などの呼びかけで、多くの人たちが駆けつけ、採決後には不信任否決に抗議するなど、国会内外に激しい怒りが渦巻きました。


写真

(写真)内閣不信任決議案に賛成の討論をする志位和夫委員長。空席は自民・公明などの席=9日、衆院本会議

民主など否決

 日本共産党の志位和夫委員長は、衆院本会議で野田内閣不信任決議案に対する賛成討論を行い、「国民の利益に反する五つの大罪」を告発しました。そして、「日本共産党は、野田内閣とともに民自公増税連合に不信任を突き付ける」と力をこめました。

 大罪の第一は民自公3党の密室談合で消費税大増税を強行しようとしていることです。

 志位氏は、3党合意は民意を蹂(じゅう)躙(りん)し、民主党の公約に背くものだと強調。自民党と公明党も公約違反の共犯者であり、「民主政治を語る資格はない」と批判しました。

 増税強行の無謀さについても、デフレのもとで20兆円もの負担増をかぶせれば、日本経済をどん底に突き落とし、財政危機を深刻にすると指摘しました。さらに、「社会保障は大改悪、無駄な大型開発にお金を注ぎ込む」ことが増税法案の正体だと批判。日本共産党は消費税に頼らない別の道を示して、大増税ストップのために最後まで力を尽くすと表明しました。

 第二は原発再稼働の強行です。「安全神話」を最悪の形で復活させるもので、「国民の安全より電力業界と財界の利益を優先する内閣に、国民の命を預けるわけにはいかない」と述べました。

 第三はオスプレイの普天間基地配備を受け入れたことです。日本国民の命と安全よりも、米国への忠誠を上におく野田内閣に、「日本の外交にたずさわる資格はない」と批判しました。

 第四は環太平洋連携協定(TPP)参加への暴走です。「日本の国を丸ごと米国に売り渡す、亡国の道を突き進むことは断じて許されない」と強調しました。

 最後に志位氏は、第五の大罪として、3代にわたる民主党政権が「政権交代」にかけた国民の期待を完全に裏切ったことを指摘。「すみやかに解散・総選挙を行い、国民の審判を仰ぐことを強く要求する」と迫りました。 (全文)

不信任決議案・全文

 日本共産党など野党6党が提出した内閣不信任決議案の全文は次の通りです。

 野田内閣不信任決議 本院は、野田内閣を信任せず。右決議する。

 理由 野田内閣が強行しようとしている消費税増税は、2009年総選挙の民主党政権公約に違反するものである。国民の多くは消費税増税法案に反対しており、今国会で成立させるべきではないとの声は圧倒的多数となっている。国民への約束、国民の声に背く政治姿勢を取り続ける野田内閣は信任に値しない。これが、本決議案を提出する理由である。

公約違反に批判相次ぐ

民主・自民から賛成9人

 衆院本会議では、みんなの党の渡辺喜美代表が野田内閣不信任決議案についての趣旨説明を行い、与野党の代表が討論に立ちました。

 「国民の生活が第一」の鈴木克昌国対委員長は、「消費税を4年間は引き上げないという国民への約束を反故(ほご)にした」と批判しました。社民党の重野安正幹事長は「民自公の密室談合政治はこの1週間で頂点を迎えた」と指摘。みんなの党の浅尾慶一郎政調会長は、「増税のみにまい進する野田政権は断固不信任だ」と強調しました。

 内閣不信任案の採決は賛成86票、反対246票で否決。自民党議員7人が賛成票を投じたほか、民主党議員2人が離党表明して賛成票を投じました。また、欠席した鳩山由紀夫元首相ら計6人の民主党議員が棄権しました。


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