2012年8月5日(日)
ガイドライン改定協議へ
日米防衛相会談 軍事一体化さらに
森本敏防衛相とパネッタ米国防長官は3日午後(日本時間4日未明)、ワシントン近郊の米国防総省内で会談し、「周辺事態」で米軍の戦争に日本が自動参戦する仕組みを定めた「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」の再改定を視野に、協議に入ることで合意しました。日米の軍事一体化を新たな段階に引き上げる、危険な動きです。
ガイドラインは1978年に策定され、94年の朝鮮半島危機をきっかけに、97年に改定されました。森本氏は会談後の共同記者会見で、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発などを念頭に、「ガイドラインは、策定から10年以上もたった今日の安全保障環境の変化や日米協力のあり方を踏まえて研究、議論していくことが重要だという意見で一致した」と述べました。
旧指針は「日本有事」を念頭に置いた共同作戦計画の研究に関するものでしたが、現行指針は、日本防衛を超えた「周辺事態」で自衛隊が米軍を後方支援し、民間空港・港湾を軍事利用する仕組みを明記。日米安保体制が大きく変質しました。
今後のガイドライン改定に向けて議論のあり方や具体的な時期については明らかにされませんでした。