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2012年8月4日(土)

内閣不信任案 野党7党合意

増税勢力に激震

解散に追い込むか、消費税増税をとるか…党利党略の矛盾

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 自民、公明両党を除く野党7党が野田内閣に対する不信任決議案の共同提出を合意したことで、民主、自民、公明3党の増税勢力に激震が走っています。

■ カード失う

 自民党国会対策委員会のメンバーの一人は内情を語ります。

 「自民党は二つに割れている。賛成したいところだが、賛成すれば『一体改革』推進との整合性を問われることになる。国対では、賛成・反対それぞれの場合の想定問答を、かんかんがくがくで議論している」

 さらに、「もし不信任案を否決すれば一事不再議のルールで、『一体改革』成立後に再び不信任案を提出することはできず、民主党を解散に追い込む重要なカードを失う。そのうえ野田政権を『信任』することになり、参院で野田政権の問責決議を出すことの大義も失いかねない」といいます。

 自民党総務会のメンバーの一人は、「共産党などが出す不信任案の理由は消費税増税を阻止するということだから、それに乗るわけにはいかない。しかし、野田首相が採決日程も解散への道筋も明らかにしないなら、自民党独自に不信任案を提出することになる」と述べます。自民党幹部の一人は3日、「不信任案が出てきたら、『一体改革』関連法案は終わりだ」との見方を示し、関連法案の採決先送りの構えを見せる政府・民主党をけん制しました。

 自民党の閣僚経験者の一人は「絶対に賛成するべきだ」と明言。「消費税10%は確かに自民党も言ってきたが、時期までは言っていない。3党合意を守らず、採決引き延ばしなど勝手なことばかり言っている民主党との約束など、もうどうでもいい」と言い放ちました。

 他方、自民党内の消費税増税積極推進派の議員の一人は苦渋をにじませます。

 「消費税増税は自民党の政権になったら必ずやらなければならないし、マニフェスト(政権公約)にも書いてきた。いまやらなければ絶対にできない。法案成立前に不信任を出すなんてことは、本当はありえない」と述べます。同議員は、「一番気をつけなければいけないのは自民党が火の粉を浴びることだ」とし、「成立後は何でもありだが、それでもいままで仲よく手をつないでやってきたのに、終わったら急に追い込むなんて言うのは理解されない」と悲鳴を上げます。

■ 公明も変化

 消費税増税法案成立前の不信任案には「同調しない」としてきた公明党も態度を変化させています。井上義久幹事長は3日の会見で、「あらゆる可能性を否定しない」と発言。「自民党が不信任を出すという事態は3党合意について、与党側が誠実に履行する意思がないということで、3党合意の前提が崩れている」と述べました。

 自民、公明両党が対応に苦しむのは、民主党に公約違反の消費税増税をけしかける一方で、党利党略的に、“一刻も早く解散を”と迫ってきたためです。根本には消費税増税に反対する国民の怒りがあります。

 自民党議員の一人は苦笑いを浮かべ、こういいました。

 「自民党は消費税を民主党にやらせ、それで民主党を分裂に追い込み、さらに解散に追い込むという『一石三鳥』を狙ってきた。民主党の分裂はうまくいったが、増税と解散を両立させるのは虫がよすぎるかもしれない。(共産党などの)不信任案の提出で自民党は踏み絵を踏まされる」

 (中祖寅一)


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