2012年8月4日(土)
津波で電源喪失想定
06年時点 吉井氏に保安院長認める
保安院勉強会
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日本共産党の吉井英勝議員は3日の衆院経済産業委員会で、原子力安全・保安院などの勉強会が大津波による原発の電源喪失などを想定しながら対策を怠り、福島原発事故を招いたと追及しました。
保安院と原子力安全基盤機構(JNES)は2006年に「溢水(いっすい)勉強会」を設置。東電、東北電力なども参加して07年4月までに10回以上の勉強会を開催し、大津波の可能性や影響などを検討していました。吉井氏の質問に、保安院の深野弘行院長は、06年5月11日の勉強会で東電が福島第1原発5号機で15・9メートルの津波を受けると報告していたほか、女川原発2号機が15・8メートルの津波を受け、「常用・非常用海水ポンプは総て機能喪失」「電源の機能喪失となり、安全系の電動機、電動弁の機能喪失となる」とする報告書を出していたことも認めました。
吉井氏は、国会や政府の事故調査委員会の報告書によって、東電が建設費などコストがかかることを理由に対策を取らなかったことは明白になったと指摘し、「どのような指示をしたのか」と質問。深野院長は「口頭で検討を促すような対応でとどまっていた」と認めました。
吉井氏は、想定しながら対策を怠った人災であり、東電と歴代政権の「不作為の責任が問われる」と強調しました。
枝野幸男経産相は「安全神話」に縛られていたことを認め、「もっと対策をとっておけば、こうした重大な事故に至らなかったのではないかとの指摘は真摯(しんし)に受け止める」と答えました。