2012年8月3日(金)
人間性尊重する学校に
大津いじめ事件 全教がアピール
全日本教職員組合は2日、大津市でいじめを受けていた中学2年の男子生徒が自殺した事件を受けて、アピール「子どもたちのいのちを守り、人間として大切にされる学校づくりをすすめましょう」を発表しました。
アピールは、今回の事件で「一人ひとりの子どものいのちや人権を守るという立場に立ちきったとりくみがなされたかどうか」検証が必要だと指摘。子どもたちの思いを丁寧に聞き、「その言動の背景にあるものをしっかりとつかむこと」、子どもたちの現実を共有し、願いと力を引き出すことが必要であり、そのためには率直に論議、協力し合える教職員集団が不可欠だとしています。
いじめ問題の克服を困難にしている要因の一つに貧困な教育条件、子どもを大切にしない教育政策があるとして、多すぎる学級定員や、テストの点数、「効率」、「成果」で人間が評価される社会状況を指摘。教職員が子どもたちとじっくり向き合い、保護者と力を合わせて課題に立ち向かうためには、30人学級実現、教職員の長時間労働解消などが急務だとしています。
その上で、すべての教育関係者と国民に向けて、「子どもたちがいのちを輝かせ、人間として大切にされる学校や地域、社会をつくるために、真しに率直に語り合い、力をあわせていきましょう」と呼びかけています。