2012年8月3日(金)
主張
消費税増税法案
民意踏みにじる採決許さない
民主、自民、公明の3党が談合で「修正」して衆院を通過させ、参院での審議がすすむ消費税増税と社会保障改悪の「一体改革」法案について、3党は来週はじめの中央公聴会のあと、採決を強行しようと策動を強めています。
国民の多数が消費税増税に反対しているのに、民意を踏みにじる採決強行はまさに歴史的暴挙です。3党を除く野党は採決を強行しないよう参院議長に申し入れ、日本共産党は、みんなの党や社民党とともに、内閣不信任案の提出を、「国民の生活が第一」など各党に働きかけています。消費税増税阻止の正念場です。
“一体改悪”の狙い鮮明
民主、自民、公明の「密室」談合の結果、消費税の税率は2014年4月には8%、15年10月には10%に引き上げるという大増税はそのままに、わずかばかりの富裕層の増税や最低保障年金の導入、医療を年齢で差別する後期高齢者医療制度の廃止などは棚上げされました。消費税増税が「社会保障のため」どころか、国民にばく大な負担を押し付けるだけであることがいっそう鮮明になりました。
とりわけ大問題になっているのは、「修正」の中で消費税増税で浮いたお金を大型公共事業に回すことを3党が合意し、消費税増税法案に明記したことです。民主党・野田佳彦政権はすでに高速道路や整備新幹線などの建設に拍車をかけ、自民党は総額200兆円、公明党は100兆円もの公共事業計画を持ち出しています。消費税増税で吸い上げた税金を巨額の公共事業に費やしながら、消費税増税は「社会保障のため」などといっても通用するはずがありません。
新たに3党提案で持ち出してきた「社会保障制度改革推進法案」も大問題です。社会保障の基本は「自助」という自民党の考えを基本に社会保障充実への国の責任を投げ捨てるもので、医療も介護も軒並み「重点化」「効率化」を押し付けます。文字通り社会保障改悪推進法であり、「一体改革」法案はまさに、消費税増税と社会保障改悪の“一体改悪”です。
「密室」談合で衆院を通過し、参院で審議が始まってからも、こんな法案はとても成立させられないと、国民の反対の声は変わりません。消費税増税に「反対」が55・2%、「賛成」が43・3%(共同通信、7月16日付各紙)、同じく「反対」が49%、「賛成」が41%(「日経」30日付)。消費税増税法案は今国会で「成立しないほうがいい」が57・9%、「成立したほうがいい」が36・7%(共同)、同じく「成立を望まない」が61%、「望む」が33%(「毎日」30日付)―消費税増税法案の成立をゴリ押しする民自公3党の策動が、国民の意思に反しているのは明らかです。
徹底審議で廃案に
消費税増税はもともと、衆院議員の任期中は消費税の増税はしないという総選挙での公約を押し破り、民主党政権が持ち出してきたものです。公約に違反したうえ、増税のための口実さえ通用しなくなっているのに、衆院でも参院でも採決を強行し、成立させるなどというのは絶対に許されません。
法案は徹底審議のうえ、廃案にすべきです。民自公3党があくまで採決を強行しようとするなら、その責任がきびしく問われるのはもちろん、野田内閣に不信任が突きつけられるのは当然です。