2012年8月2日(木)
「安全な原子炉開発を」
規制委員長候補 田中氏が原発推進姿勢
衆参の聴聞会
衆参両院の議院運営委員会は1日、野田内閣が原子力規制委員会の委員長候補として国会に示した田中俊一・元原子力委員会委員長代理から所信を聴取し、質疑をおこないました。日本共産党から佐々木憲昭衆院議員が質疑にたち、原子力政策のあり方や「核燃料サイクル」について田中氏の姿勢をただしました。
田中氏は今回の事故を反省しているといいながら、原子力は人類が「コントロールできる」と明言。「今後、より安全な原子炉の研究開発に力を注いでいってもらいたい」と原子力エネルギーに依存する姿勢を示しました。
2030年における原子力エネルギーの比率について、政府がゼロから25%の案を示していることにたいする見解や「核燃料サイクル」など、原子力政策のあり方に関する質問については、「原子力規制委員会が判断することではない」「個人的意見は申し上げるべきではない」と答えませんでした。
原発の40年運転制限については、「40年超の原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させないという姿勢で臨むべきだ」と述べる一方、「一律にだめだということではなくて、新しい安全規制、基準に合致できることを確認したうえで判断する」とのべ、運転延長の可能性にも言及しました。
田中氏は、「(年間)100ミリシーベルトは健康に大きな影響がない」として、政府が決めた20ミリシーベルトの避難基準を帰還基準とし、住民に20ミリシーベルト近い放射線量を浴びる暮らしを強いてきたことについて、「私の判断ではなく、原爆追跡調査やICRP(国際放射線防護委員会)のデータを示したものだ」と弁明しました。
大飯原発再稼働については「技術的な点で精査が不十分だった可能性がある。活断層の影響があれば当然止めていただくことになる」と述べました。