2012年8月1日(水)
日本再生戦略 社会保障“聖域なく削減”
閣議決定 大型公共事業を推進
野田佳彦内閣は31日、2020年までの成長目標などを示した「日本再生戦略」を閣議決定しました。政府はこれにもとづいて、予算の重点配分などを盛り込んだ「13年度予算編成の基本方針」を策定します。
再生戦略は消費税の税率引き上げなど「税・社会保障の一体改革」を前提に、「社会保障の安定財源を確保し、安心できる社会保障制度の確立」をうたっています。しかし、再生戦略の中の予算編成方針では「社会保障分野を含め、聖域を設けずに歳出全般を見直す」と、社会保障の削減を宣言しています。
一方で、「日本再生」の具体策の一つに「国土・地域活力戦略」を提起。首都圏空港や国際戦略港湾の機能拡充・強化をはじめ、大都市圏の環状道路の整備などの大型公共事業を重点的に推進するとしています。
原子力発電については「依存度を可能な限り低減」すると述べるだけで、原発に固執する姿勢に変わりありません。
「新興国との厳しい価格競争」に苦しむ事業分野については、その「事業転換を進める」と強調。国内産業の切り捨てが進む可能性があります。
また、「率先して高いレベルの経済連携を進め、新たな貿易・投資ルールの形成を主導していく」ことをうたっています。貿易総額における経済連携協定(EPA)のカバー率を80%にすることを20年までの目標に掲げています。環太平洋連携協定(TPP)への参加を想定しています。