2012年7月28日(土)
0増5減案 自民提出
小選挙区制を固定化
自民党が公明党の理解を得て、法案を提出したことで、すでに提出されている民主党案とあわせて、衆院政治倫理・選挙特別委で審議入りが問題となってきます。
自民党の「0増5減」法案は、小選挙区の区割りを手直しするだけで、民意をゆがめる小選挙区制を固定化させるとともに、比例定数削減にもつながりかねません。昨年秋以来の「衆院選挙制度に関する各党協議会」で焦点となってきた、現行制度の「抜本的改革」の議論をすべて押し流す点でも、乱暴なやり方です。
民主党は先に提出した法案で比例定数の大幅削減に固執しています。小選挙区の「0増5減」とあわせて審議されることで、多様な民意が削られる危険性もあります。
自民党の岸田文雄国対委員長も、0増5減に伴う区割り作業や周知期間に「半年近い期間が必要になってくる」として、「その期間内に定数是正(削減)などの議論もすすめればよい」(22日)と述べ、比例定数削減を否定していません。
衆院の選挙制度改革は緊迫した局面を迎えます。(竹原東吾)