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2012年7月28日(土)

主張

大飯原発フル稼働

原発に依存しない対策急げ

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 全国的に暑さが本番を迎え、熱中症などの対策が急がれています。お年寄りや体の弱い人にクーラーなどの冷房はかかせず、暑さを避けるために我慢しすぎないことが求められますが、電気料金や電力不足はやはり心配です。

 こうしたなか政府は、関西電力大飯原発(福井県)の3、4号機がフル稼働したのを受け、関西電力管内などに求めていた節電目標を緩和しました。さかんに「電力不足」を宣伝したあげく、原発が運転を再開したとたん節電目標を緩和するのは、原発依存を続けるためのインチキではなかったのかという疑念をぬぐえません。

電力供給は余裕がある

 もともといったん事故が起きれば取り返しのつかない被害をもたらす原発の再稼働と電力需給の問題をてんびんにかけること自体重大な誤りです。しかも実際には原発を動かさなくても電力は間に合っていたのではないかという疑いが濃くなっているのは重大です。

 大飯原発3号機に続く25日からの4号機のフル稼働で、関西電力は同日、供給力は原子力237万キロワットを含め、2952万キロワットになったと発表しました。しかし、猛暑だった同日でも使用電力の見込みは2514万キロワットだったので、使用率は85%と大幅に余裕がある状態です。発電に余裕があるので関西電力は相生発電所や御坊発電所などを停止しています。計算上は原発を稼働させなくても電力がまかなえた可能性が大です。

 政府はこの夏、大飯原発など原発がとまったままでは関西電力管内の電力は約15%不足するとして、関西電力には15%、関電に電力を融通する周辺の中部、北陸、中国の各電力会社には5%の節電を求めてきました。政府や関西電力の電力需給の見通しは、きびしい猛暑に見舞われた一昨年を基準にしたものです。気候の見通しも違い、これまでよりも節電対策もすすんでいるのに、原発を動かさなければ15%も不足するというのは、まったくの脅しです。

 しかも政府は国民の反対を押し切って大飯原発の再稼働を強行すると、関電管内の節電目標は5〜10%に、その他の周辺の電力会社は目標を解除しました。声高な「電力不足」宣伝は、原発再稼働に世論を誘導するためでなかったかといわれても仕方がありません。

 昨年の東京電力福島原発の事故は収束しておらず、原因究明も尽くされていないのに、全国どこであれ原発を安全に運転できる保証はありません。原発は運転を始めるだけで危険な放射性廃棄物がたまり続けます。原発を再稼働させ、火力発電所などを停止しながら、節電を緩和すれば、原発への依存度を高めることにしかなりません。原発からの撤退を求める国民世論に照らせば、政府のやり方はまったくあべこべです。

経済も暮らしも見直して

 いま重要なのは、危険な原発からの撤退を決断し、経済も暮らしも見直し、節電などの省エネルギーや自然エネルギーの導入を進めることで、原発に依存しない体制を確立することです。

 関西電力は大飯原発に続き、高浜原発の再稼働を公言しはじめました。政府も四国電力伊方原発や北海道電力泊原発の再稼働を画策しています。まったく論外です。再稼働の押し付けをやめさせることが、いまこそ急務です。


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