2012年7月26日(木)
米F22ステルス機 週末にも嘉手納へ
米国防総省は24日、操縦士に低酸素症とみられる症状が相次いだF22ステルス戦闘機の飛行制限を同日から段階的に解除し、米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に1個飛行隊を配備すると発表しました。
飛行隊は今週末にも同基地に到着し、「最大限、長期間」(米国防総省のリトル報道官)駐留する見通しです。
嘉手納基地では、数年前から相次ぐ外来機の飛来で爆音被害が増えており、原告2万2000人の爆音訴訟も続いています。
また、機体の不具合が指摘された後、改善措置の実証も不十分なまま人口密集地の沖縄に配備することで、同基地周辺の自治体・住民の反発が出ることは避けられません。
F22については、昨年9月以来、操縦士が低酸素症とみられる症状を引き起こした事例が十数件、報告されており、国防総省は飛行停止措置をとっていました。2010年に起きたアラスカ州での同機の墜落事故も、操縦士に十分な酸素が供給できなかったことが原因の一つとみられています。
国防総省はその後、操縦士が装着する飛行ベストの不具合などで十分な酸素を供給できなくなることが原因だと断定。このベストの着用取りやめや、酸素供給装置に付けられたフィルター撤去などの改善策を講じ、安全は確保されたと判断しました。