2012年7月25日(水)
メタボ健診で罰則
保健指導ゼロの健保に財政負担増
特定健診・保健指導(メタボ健診)の実施率が低い健康保険に2013年度からペナルティー(罰則)を科すための具体策を厚生労働省が24日までにまとめました。
ペナルティーを科されるのは、メタボや予備群と診断された人への保健指導の実施率がゼロの健康保険。各健康保険に割り当てられている後期高齢者医療への財政負担額を増やします。負担増は加入者1人当たり年113円〜120円程度の見込みです。
最近の実績でみると、市町村国保、健康保険組合、協会けんぽ(全国単一)など約3400のうち約400が対象となり、負担増の総額は3億3200万円となります。
このお金を使って、特定健診・保健指導の実施率が高い健康保険の負担額を減らします。約50の健保が対象となる見通しです。
メタボ該当者の改善率を基準にペナルティーを科すことは見送られました。
メタボ健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を減らすことで、将来の医療費を抑えるとして08年度から始まったもの。健診・保健指導の実施率やメタボ該当者の減少率が低い健保の財政負担を重くし、その分、実施率の高い健保の負担を軽くすることができる仕組みが法律に盛り込まれました。ただし、必要な政令が定められておらず、厚労省の有識者検討会が今回、具体策をとりまとめたものです。
強い反対論
しかし、検討会ではペナルティー制度そのものに強い異論が出され、「とりまとめ」文書も「制度そのものに賛同しない、あるいは制度を廃止すべきとの強い意見もあった」と明記。「法律で規定されている…制度を…施行するほかないとすれば」という異例の言い方で具体策を提示しました。高齢者医療制度見直しの際には、ペナルティー制度のあり方を改めて検討するよう求めています。