2012年7月24日(火)
オスプレイ陸揚げ強行
陸で海で「米に帰れ」
岩国基地 市民・首長ら抗議
「オスプレイはいらない」「米本国へ送り返せ」―。山口県岩国市の米海兵隊岩国基地で23日、墜落事故が相次いでいる垂直離着陸機MV22オスプレイの陸揚げが強行されました。市民らはさまざまな抗議行動を展開。福田良彦岩国市長も抗議の声を上げるなど、安保を盾に陸揚げを容認した野田内閣への批判が噴出しました。日本共産党の市田忠義書記局長は、記者会見で陸揚げ強行に強く抗議しました。
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この日早朝、オスプレイ12機を積んだ民間輸送船「グリーンリッジ」が岩国基地に入港。船体後部ハッチを開け、午前8時すぎに1機目のオスプレイを陸揚げを開始。同日中に12機の陸揚げを完了しました。
「オスプレイはいらんドー(怒)」の唱和の中、参加者が手をつないだ「人間の鎖」が1キロメートル近くまでのびました。基地を見渡す対岸の堤防道路では約600人の市民らが、輸送船「グリーンリッジ」に向かって「怒」のカードを高く掲げました。
行動を呼びかけた共同代表の一人、「住民投票の成果を活(い)かす岩国市民の会」の大川清代表は、「国は安保条約があるからオスプレイ配備を拒否できないというが、国民を危険にさらしてなにが安全保障か。陸揚げされても私たちは絶対飛ばさせない。欠陥品は返品だ」と力を込めました。
参加者は次々とリレートーク。日本共産党の木佐木大助・山口県議は、昨夜、輸送船の通過する関門海峡で抗議行動をしてきたことも紹介し、決意を語りました。沖縄や長崎・佐世保などの代表が全国で連帯してたたかっていくと述べました。
「人間の鎖」行動に先立ち、午前4時半から岩国基地に隣接した河口から沿岸に向け、ゴムボート十数隻を出し、「海上アピール」行動。岸壁からも抗議の声を上げました。
米海兵隊は岩国基地で機体の点検や試験飛行をした後、10月初めに普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備し、本格運用を始める計画です。配備後は、沖縄全域での訓練だけではなく、岩国基地とキャンプ富士(静岡県御殿場市)を拠点に日本本土で低空飛行訓練も実施する方針。すでに沖縄をはじめ飛行ルート下の本土の自治体や住民から反対の声が上がっています。
今回の陸揚げについて、山口県の二井関成知事や沖縄県の仲井真弘多知事、全国知事会は同日、「抗議」「遺憾」を表明するコメント・声明を出しました。
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