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2012年7月23日(月)

“ガラス細工の3党合意”

国民の怒り前に危機深まる

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 参院で民自公3党合意に基づく消費税増税・社会保障解体法案の審議が続いていますが、民主党の分解が加速し、同党幹部は「政権が崩壊する」と危機感を募らせています。一方、自民党サイドからは焦りといら立ちの声が出ています。


 「自民党も気の毒なんですよ。民主党から離党した人たちがテレビで、『民主党が自民党化している』とか、『自民党・野田派』だとか、全部自民党が矢面に立って泥をかぶっている」

問責決議案も

 19日の参院税・社会保障特別委で質問に立った自民党の世耕弘成参院国対委員長代理。民主党からの離党が止まらないことや、参院でも造反の動きや3党合意修正を求める声があるとして、野田佳彦首相に衆院の時以上に厳しい処分をするよう求めました。そのうえで、首相に覚悟がないなら、「われわれがいつまでも黙ってついてくると思ったら大間違いだ」と述べ、法案採決の前に問責決議案を出す可能性を示唆しました。

 同党の閣僚経験者の一人は、「民主党がこれだけ崩壊状態になっても(首相の)無責任な態度が続いている。解散の道筋も明確にしない。この状態で『一体改革』にいつまで付き合うのか。もう飽き飽きしてきた」「『一体改革』をつぶせば確実に解散だ」とまで言い切ります。

けじめつける

 民主党側では、2日に離党した小沢一郎元代表らが、11日に結党大会を開催。17日には、舟山康江元農水政務官ら参院議員3人が「民主党と自民党の違いがなくなった」「参院での一体改革の本格審議の始まる前にけじめをつける」などと主張して離党。国民新党を離党した亀井亜紀子参院議員を加え新会派「みどりの風」を結成し、新たな政党の結成を目指すことを明らかにしました。

 さらに19日には、前日に民主党を離党した中津川博郷衆院議員とすでに離党していた3人の衆院議員が新会派「改革無所属の会」を結成し、「非民主・非自民」の新党結成も視野に活動することを表明しました。

害悪浮き彫り

 民主党の崩壊状態を引き起こしたものは、自民党への逆戻り路線、民自公3党の増税大談合です。同党が崩壊を続けるもとで、自民党政治そのものの害悪が浮き彫りになり、公約違反をけしかけた自民党が苦しい状況に追い込まれているのです。

 自民党議員の一人は言います。

 「もともと(民主党の)消費税増税はマニフェスト違反だから解散しろというのが自民党の主張。しかし、野田首相が解散せずに政治生命をかけると言っているから仕方なく協力するというのがうちのスタンスだ。ただ消費税増税自体は自民党の政策で、いま反対といったら、衆院を通したものを参院で否定することになり、そこは苦しい。3党合意は苦渋の決断、ガラス細工だ」

 激しい国民の怒りの前に、圧倒的多数を誇ってきた3党談合は追いつめられつつあります。

 (中祖寅一)


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