2012年7月21日(土)
オスプレイ 23日岩国陸揚げ 防衛省が伝達
地元「搬入認められない」
米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの搬入について防衛省は20日、岩国市と山口県に対し、23日に輸送船が到着し、機体を陸揚げするとの日程を正式に伝達しました。これに対し、岩国市の福田良彦市長と山口県の二井関成知事は配備手続きの中止を改めて求めるなど、日米安保条約を盾に米軍の配備計画を容認してきた野田内閣への批判と計画への反対が広がっています。
山口知事「安保に影響」
岩国市では福田市長が、伝達に訪れた辰己昌良中国四国防衛局長に対し「搬入は認められないと再三要請し、政府としてもしっかり応えてくれると期待していたが、裏切られた」と批判し、「日米安保体制への影響も懸念される」と指摘しました。会談後、記者団に「安全性が確保されないのであれば、そのまま、米本土に帰ってもらうという毅然(きぜん)とした対応を(国に)訴えていきたい」と語りました。
二井知事も、同防衛局幹部に対し「誠に遺憾。住民の安全よりも米側の手続と日程を優先した配備手順がこのまま強行されれば、日米安保体制への影響も懸念される」とする抗議文を提出。同知事は記者団に「憤りを感じる」と語りました。
同日、民主党の前原誠司政調会長と国民新党の下地幹郎幹事長が会談し、オスプレイの陸揚げについて「厳しい」との考えで一致。地元の声に耳を貸さない野田内閣の対応に与党内の批判の声がさらに高まっています。
オスプレイ12機を載せた民間輸送船は22日夜、関門海峡を通過し、23日早朝に岩国基地に到着する見通しで、その後、搬入作業に入ります。
森本敏防衛相は20日の記者会見で、搬入の日程について「アメリカ側と調整の上、決めてきた」と述べ、米側に再考を求める考えがないことを改めて強調しました。
国の強行姿勢に怒り
山口・岩国市で開く「オスプレイ配備反対緊急岩国集会」の藤本博司事務局長の話 アメリカの言うままのことを国民に押し付ける日本政府の無責任な態度に怒りを感じます。森本敏防衛大臣が国会で「オスプレイの安全性について日本でも独自に確認する」とのべているにもかかわらず、安全性が確認される前に配備を強行しようとしています。福田市長は、陸揚げが強行されたら「日米安保条約に大きな影響を与える」と、初めて日米安保に言及しました。市長にこう言わせたのは、「配備反対」という強い世論の力だと思います。22日午後2時から岩国市役所前公園で開く「オスプレイ配備反対緊急岩国集会」を多くの参加で成功させ、岩国市民の強い意思を国に示したい。