2012年7月20日(金)
多重債務被害を再燃
日弁連集会 貸金業法改悪の動き批判
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サラ金など貸金業者への規制を強化した改正貸金業法の「再改正」を民主党が検討している問題で19日、日本弁護士連合会が国会内で集会「利息制限法の改悪を許さない」を開催し、弁護士や司法書士、多重債務の被害者ら150人が参加しました。
2010年6月に改正貸金業法を完全施行したことで、上限金利が29・2%から同15〜20%に引き下げられ、貸付総額を年収の3分の1以下に制限する「総量規制」が導入されました。
民主党は、中小・零細事業者向けの短期貸付上限金利を引き上げる再改正を検討しています。
集会で、日弁連消費者問題対策委員の木村裕二弁護士は、「5件以上借り入れ」をする人が改正前には171万人(07年)だったものが44万人(12年)へと減少したことや1人当たり借入残高が117万円(07年)から59万円(12年)となったことを紹介。「多重債務者は確実に減少し、多重債務による破産・自殺者も減少している」と成果を強調しながら、「再改正では被害が再燃する」と再改正案を批判しました。
現場の声として、兵庫県の但馬消費生活センター相談員の義本みどりさんらも発言しました。
集会では、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が「今、やるべきは貸金業法の『再改正』ではなく、来年3月に迫った金融円滑化法を延長して引き続き銀行などからの借り入れをしやすくし続けることだ」と発言しました。民主、国民の生活が第一、社民各党の議員も発言しました。