2012年7月19日(木)
消費税増税・社会保障改悪法案
自民「税率17%」主張
参院審議入り
消費税増税と社会保障改悪法案が18日の参院特別委員会で審議入りし、民主、自民両党の質疑が行われました。自民党の質問に野田佳彦首相らが呼応する形で、さらなる増税や社会保障の切り捨てが鮮明になりました。
自民・中川雅治氏は、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化するには「消費税率を17%にしなければならない」と主張。野田首相は「(黒字化達成を)着実に進めなければいけない。しっかり覚悟をもって前進していきたい」と応じました。
宮沢洋一氏は、民自公3党提出の社会保障制度改革推進法案について「国民に苦い薬となる条文が3党合意でまとまった」と評価し、「『重点化』『効率化』『適正化』『負担の増大を抑制する』ことを、力をあわせてやっていきたい」と強調。衛藤晟一氏は「民主党はマニフェストで財源の裏づけもなく(社会保障を)ばらまいた。これを認識して推進法をスタートしてもらわなければいけない」と述べました。
野田首相は「(社会保障・税関連)8法案が通れば、今国会に後期高齢者医療制度廃止法案を提出することを決めた閣議決定の効力は消える」と述べ、廃止法案提出を断念する意向を表明しました。
一方、民主党からは国民世論を前に問題点や懸念を示す意見が相次ぎました。民主・桜井充氏は、消費税増税について「景気が悪いときに上げられるのか」として「(法案に)問題点があれば、修正するのが当然だ」と主張。藤谷光信氏は、子ども子育て関連法案について「衆院で修正されてもなお、現場からは不安の声が聞こえてくる」と述べました。
また、大久保潔重氏は「第2自民党じゃないかと揶揄(やゆ)される」と嘆き、「ほとんどの社会保障制度の『改革』は棚上げで、(消費税)増税のみが残る」と述べました。
野田首相は「参議院で新たな観点、ここは変えたほうがいいという議論が出てくるならば、そういう議論はあってしかるべきだ。(修正は)予断を持って考えているわけではない」とのべ、「修正」議論がありえるとしつつも、3党合意は「重い」として具体的修正は検討していないと主張しました。