2012年7月19日(木)
歴史に学び日本変える新たなたたかいへ
日本共産党創立90周年記念講演会
東京・日本青年館
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日本共産党は18日夜、都内の日本青年館(新宿区)で党創立90周年記念講演会を開きました。猛暑をついて、開場2時間前から足を運んだ人も。志位和夫委員長が「社会変革の事業と日本共産党」、不破哲三社会科学研究所所長は「日本共産党の90年をふりかえる」と題して講演しました。両氏は社会の発展を切り開いてきた日本共産党の歴史を改めてたどりながら、新たな社会変革のたたかいを呼びかけ、熱い拍手やどよめき、笑いで沸く場面も見られました。会場は第3会場まで満杯となり、第4会場を含め2100人がつめかけました。インターネット中継への接続は2044、党内通信は910カ所で視聴されました。会場には入党コーナーも設けられ、次つぎと相談者が訪れました。
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社会変革の事業と日本共産党 ―歴史に学び、強く大きな党を
志位委員長が講演
日本の社会変革の事業のなかで、日本共産党は一体どういう使命を担い、どういう役割を果たすのか―。記念講演に立った志位氏は、こう切り出し、党づくりの歴史を振り返りつつ、強く大きな党の必要性と展望を縦横に語りました。
志位氏は、日本共産党が「国民の苦難を軽減し安全を守る」ことを立党の精神に活動していると語り、東日本大震災の被災地で「復興の拠点」となり、「原発ゼロ」に取り組む党の奮闘を紹介。(1)引き続き被災地支援の募金とボランティアを強める(2)「原発ゼロの日本」を目指す運動が「福島支援、福島復興」を柱にすえる―ことを呼びかけました。
社会変革の事業は、「主権者である国民の大多数の意思のもとに、国民多数の参加によって変革を進める『多数者革命』」が今日の目指すべき方向だと指摘。そのなかで党が「三つの役割」―(1)現状打開の展望を指し示す「先見性」(2)妨害や困難とたたかう「不屈性」(3)国民とともにたたかう「草の根の力」―を発揮することが大切だと強調しました。
このなかで志位氏は、今日の「不屈性」について、異常に発達した巨大メディアが権力と一体化し「悪政推進の尻たたき役」に堕落したもとで、多数者結集には、特別の根気強さを必要とすると強調。「しんぶん赤旗」という人民的メディアを増やす活動が新しい日本への道を開く力だと訴えました。
また、さまざまな分野で「一点共闘」が空前の規模で発展していること、そのなかで日本共産党が信頼を高めていることを生きいきと語り、「日本を変える新しい統一戦線へと発展するよう知恵と力をつくす」とのべると、大きな拍手がわきおこりました。
そのうえで、日本の社会変革を進めるためには「三つの役割を果たす党が強く大きくなることが決定的に重要です」と力説。戦前の「赤旗」を支えた活動、戦後の自主独立、綱領路線に立った党づくりの努力など、苦闘の歴史をひも解くとともに、ドイツの左翼党などから国際的注目も寄せられていることを紹介しました。「総選挙勝利めざして、強く大きな党づくりの取り組みを必ず成功させる決意です」と力強く述べました。
最後に志位氏は「最大多数の人びとを幸福にする人生、『漂流』でなく『確固とした羅針盤をもって航海』する人生―そういう人生にこそ真の自由と幸福があると確信します。一度きりしかないかけがえのない人生を多くの人びとの幸せのため、社会進歩のため、ともに歩もう」と日本共産党への入党を熱く訴え、大きな拍手に包まれました。
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日本共産党の90年をふりかえる
不破社研所長が講演
国民の利益、平和と民主主義、日本社会の進歩・発展の障害となるものに対して、いかに強力で巨大な相手であろうと恐れずに立ち向かってきた―日本共産党の90年史をこう概括した不破氏は、日本の社会変革の事業に尽力する党の姿を、三つのたたかいから浮かび上がらせました。
第一は、戦前の天皇制国家に立ち向かったことです。日本共産党は創立当初から天皇制国家を変革する民主主義革命の旗を勇気をもって掲げ、このたたかいは世界的な平和と社会進歩の流れに呼応しあうものであったことが証明されました。
第二は、覇権主義の巨悪とのたたかいです。このなかで不破氏は、「50年問題」で日本共産党に干渉作戦をしかけたソ連がすでに覇権主義国家に変質していた実態を、戦前のスターリンとヒトラー・ドイツとの外交密約などを通じて明らかにしました。
この干渉攻撃による党分裂と苦難を乗り越えた日本共産党は自主独立の立場を確立し、綱領のもとでの政治革新のたたかいに踏み出しました。その後のソ連、中国からの干渉攻撃を徹底的に打ち破り、総選挙で躍進を果たすなかで、1970年代の国会は論戦が活性化するなど政治の様相が一変したのです。
そして第三は、支配勢力が日本共産党に進出の可能性を与えないように政界をつくりかえようとした「オール与党」体制を打ち破るたたかいです。
80年の社会党と公明党との「社公合意」、94年の小選挙区制導入、2003年総選挙に始まった「二大政党づくり」など、支配勢力は30年余にわたって日本共産党排除にエネルギーを注ぎました。しかし、いずれの反共作戦ももたず、「財界・アメリカ言いなり政治」をつづけた「オール与党」体制のもとで政治危機は深刻化しました。
この三つのたたかいとあわせ不破氏は、綱領確定以来の半世紀にわたる党の理論史もふりかえり、「スターリン時代の中世的な影を一掃し、理論の本来の姿を復活させ現代に生かす、科学的社会主義の『ルネサンス』をめざす活動と呼んでいいかもしれない」として、その国際的意義を強調しました。
最後に不破氏は、日本の現状が、大きな転換が迫りつつあることを示す多くの要因に満ちているとし、そのなかで、これまでの「財界・アメリカ言いなり」のレールにとらわれたままの政党と、それを転換し日本の新しい進路をめざす政党の違いがいよいよはっきりしてきていると指摘。「日本共産党の躍進は、日本の進路の21世紀的な転換という大事業の要をなすもの。日本の社会変革の事業に力をつくしてきた数知れない先輩たちの活動に思いをはせ、その志を受け継ぎながら、日本社会の歴史の新しいページを開こう」と呼びかけ、大きな拍手に包まれました。