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2012年7月18日(水)

福島第1・第2を廃炉に

福島・いわき被害住民団体 東電に賠償請求

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(写真)福島第1、第2原発の廃炉と賠償を東電に要求し、会見した「完全賠償をさせる会」の人たち=17日、東京都港区内

 福島県いわき市の原発被災者や避難指示区域内から市内への避難者など約1750人が参加する「原発事故の完全賠償をさせる会」が17日、東京電力に対し、福島第1、第2原発の廃炉や被害の賠償などを求めました。会の代表ら9人が東京都千代田区の東電本店を訪ね、要求書を手渡しました。

 東電は第1原発の5、6号機と第2原発について、存廃を「未定」とします。会は廃炉を要求に掲げた理由を、「子や孫に希望ある将来を残したい」「安全だといわれた原発が事故をおこした以上、なくなるまで故郷には帰れない」などと説明しています。

 会の東電に対する要求は廃炉のほか、▽原発公害の法的責任を認めて真摯(しんし)に謝罪▽避難にかかった実費▽原発事故直後の非常事態中の精神的苦痛に対する慰謝料1人25万円▽廃炉完了までの被害にともなう精神的苦痛の慰謝料(18歳未満・妊婦に月8万円、大人に月3万円)―などです。避難指示区域内の被災者は別途請求します。

 また、コミュニティーの回復や健康管理などは金銭賠償でまかなえないとし、被害者の生命、健康と人間の尊厳を回復し維持するために必要な施策の実現と法整備を、東電が国に働きかけるように求めます。

 会見で、会の佐藤三男代表委員は「東電側は今日の交渉でも廃炉は未定と繰り返した」と報告。いわき市の男性(34)が「幼い娘が将来まで受ける被害は大きい。原発構内を平らにして完全に廃炉にしてほしい」、いわき市内の公営住宅に避難する楢葉町の男性(72)は「被曝(ひばく)状況が改善されても、原子炉がある限り事故の心配はある」と思いを訴えました。

 会の代表らは同日、内閣府で本多平直首相補佐官と面会し、東電への要求と同趣旨の要請書を野田首相あてに提出。衆参の国会議員約20人のほか、全国労働組合総連合、全日本民主医療機関連合会、新日本婦人の会など9団体に支援を求めました。


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