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2012年7月17日(火)

武器貿易の規制 国連交渉に注目

厳格な条約には消極論も

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 武器の輸出入を国際的に管理し、人権弾圧や戦争犯罪を防ぐことを目的とする「武器貿易条約」をつくるための交渉が、3日からニューヨークの国連本部で行われています。12日までの全体会合では、国連加盟国や国際・地域機関、非政府組織(NGO)代表ら100人余りが演説。厳格な条約の実現を求める声の一方で、消極的な国もあるなか、条約は全会一致で決めることになっており、27日までの交渉の行方に世界の目が注がれています。(山崎伸治)


 武器貿易条約(ATT)づくりは2006年から国連での本格的な協議が始まり、10年7月以来4回の準備委員会を開催。11年7月にまとまった議長非公式文書が議論のたたき台となっています。開会日は当初7月2日でしたが、パレスチナの参加をめぐって紛糾したため3日に延期となりました。

 初日、演説に立った国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は「通常兵器に関して地球的視野に立った多国間条約がないのは不名誉なことだ」と指摘。「国際的な武器の移転が制限されていないために、内戦があおられ、地域の不安定化がすすみ、テロリストや犯罪者のネットワークが強化されている」として、条約の策定に期待を込めました。

 各国・組織代表の演説では、オーストラリアやコスタリカなどから、「ATTは小火器や小型武器、弾薬を含むすべての通常兵器を幅広く網羅するものでなくてはならない」といった、厳格な条約を求める声が上がっています。

 一方で「ATTの第一の目的は、違法な武器取引を防ぐことであり、国家の合法的な武器取引や自衛の権利を損なうものであってはならない」(中国)と包括的な規制に消極的な意見もあります。

 世界最大の武器輸出国である米国は当初、ATTそのものに否定的でしたが、その後支持に転換。ただ「自衛権」の尊重を強調し、「国内での武器の保有・使用・移転」を阻害しないよう主張しています。弾薬の取引の規制には反対しているといいます。

 日本は06年以来、ATT実現を求める国連決議に毎年賛成しています。しかし、アムネスティ・インターナショナルやオックスファムなどの国際NGOが参加し、03年以来、ATTの実現を求めてきた民間組織「コントロール・アームズ」は、日本政府の消極姿勢に懸念を表明しています。


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