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2012年7月17日(火)

主張

「さようなら原発」

首相はこの声を聞くべきだ

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 炎天下、会場の代々木公園へ続々詰めかける人々、呼びかけ人らの発言に熱い拍手や掛け声が飛び、集会後のパレードが暑い東京をいっそう熱くする―。文字通り、“圧巻”と呼ぶにふさわしい大集会でした。

 「さようなら原発10万人集会」。「いい加減にせんかい」「ウソにはもうだまされない」―手書きのプラカードやゼッケンにやむにやまれぬ参加者の気持ちと怒りがこめられています。原発再稼働やめよ、原発なくせ―。野田佳彦首相は、全国にこだまする、こうした国民の声を聞くべきです。

ふるさと奪われた怒り

 「ふるさとを奪われた怒りをぶつけたくてやってきた」。集会が始まる前、会場内の小さな集まりで東京電力福島原発事故の被災地、福島からの参加者が切々と訴えました。原発事故はまだ収束には程遠く、避難させられた10万人を超える県民は、住みなれた故郷で元の生活を取り戻す見通しがたっていません。東電による賠償や政府による除染も遅れています。

 それなのに関西電力大飯原発をはじめ全国の原発の再稼働に動き出し、今後も原発に依存しようとしている野田政権。「すべてを奪ったうえに国民の声を聞こうとしない電力会社と政府は許せない」。福島からの参加者の訴えに、取り囲んだ人たちがうなずきます。

 「さようなら原発10万人集会」は、作家の大江健三郎さんや澤地久枝さん、音楽家の坂本龍一さんら9人が呼びかけ、原発再稼働に反対し「原発ゼロ」の実現を目指すさまざまな団体・個人が力を合わせて開かれたものです。

 呼びかけ人のあいさつで評論家の内橋克人さんは、「勇気ある声がゆがんだ国と社会をただすもっともたしかな力になる」と発言。呼びかけ人のなかで最高齢の作家、瀬戸内寂聴さんは、「政府にいいたいことがあれば口に出して言い、体で表していこう」と呼びかけて、参加者を激励しました。

 集会の参加者は、北は北海道から南は九州、沖縄まで、主催者は10万人をはるかに超える17万人が参加したと発表しました。

 福島原発事故の収束のめどもたたず、原因究明も尽くされていないのに、「二度と福島のような事故は起きない」と、根拠のない“安全神話”をふりまいて原発再稼働を強行する野田政権に、国民が怒りの声をあげるのは当然です。毎週金曜日夜、首相官邸前で開かれる「再稼働反対」のツイッター・デモをはじめ、全国各地でこうした行動が相次いでいます。国民の声が聞こえるなら、野田政権は再稼働を中止し、原発からの撤退をこそ決断すべきです。

民主主義の大切な機会

 最初、首相官邸を取り巻く「再稼働反対」の声を「大きな音が聞こえる」としかいわなかった野田首相も、最近は「声が聞こえる」といい直しています。しかし、再稼働の強行を取りやめ、「原発ゼロ」に踏み出す姿勢はありません。それどころか大飯原発に続いて、四国電力伊方原発などの再稼働も狙っています。

 野田首相が原発再稼働や原発依存を断念しない限り、国民の声がやむことはありません。デモや集会は国民が直接その意思を表示する大切な機会です。政治家がその声を聞かなければ民主主義を担う資格が問われることになります。


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