2012年7月14日(土)
プジョー8000人解雇計画
仏政権、回避へ対策
フランス自動車最大手プジョー・シトロエン・グループ(PSA)は12日、経営難を理由に約8000人の労働者を解雇する「経営改善計画」を発表しました。雇用増や解雇規制の強化を公約に掲げて5月に誕生したオランド政権は「受け入れられない」と直ちに批判、解雇回避へ向けて対策に乗り出す意向です。
「計画」によると、パリ郊外にあり、約3000人が働くオルネ工場での生産を2014年に停止します。また西部レンヌの工場で5600人の労働者のうち1400人を、全国各地の工場で計3600人を解雇します。
同社は「経営危機の深刻さと継続性」を理由に挙げています。オルネ工場で解雇される労働者の約半数には別のプジョー工場での再就職をあっせんするとしています。
同社の発表を受けて、モントブール生産再建相は同日、国会で演説し、「計画を現在の形のままで受け入れることはできない。他のあらゆる解決策を探るよう同社に求める」と強調。同日夕のテレビ番組では、数日内に労働組合と協議し、可能な代案を探るとしました。
同相は、プジョーが数年前に政府から経営支援として40億ユーロ(約3900億円)の融資を受けていたことを指摘し、「政府は真実を知りたいと思っている」と述べました。
ロイター通信によると、エロー首相も12日、政府が7月25日までにプジョー社に対する支援計画を示すとし、解雇労働者に再就職先をあっせんするという約束を同社が実行するよう働きかける姿勢を示しました。
オルネ工場では計画発表と同時に、労働者が工場入り口で抗議集会を開催。最大労組、労働総同盟(CGT)の地元責任者、ジャンピエル・メルシエ氏は「バラン氏(プジョーの最高経営責任者)は労働者に宣戦布告した。われわれも彼に宣戦布告しよう」とたたかいを呼び掛けました。