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2012年7月13日(金)

付加価値増税に警告

自動車・観光業界

スペイン首都抗議行動

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 【ロンドン=小玉純一】スペインのラホイ首相は11日、2014年末までに650億ユーロ(約6兆3300億円)の財政赤字削減をめざすとして、付加価値税(消費税に相当)増税の他に失業手当や公務員給与の削減などを発表しました。これに対し、観光業界や自動車業界は、消費低迷により業界の損失と雇用喪失を招くと警告しました。

 首相は、付加価値税に関し、パン・薬品・書籍の税率を4%に据え置く一方、標準税率を3ポイント増の21%、交通・旅館・加工食品を2ポイント増の10%と発表しました。8月1日から施行の見込みです。

 観光業界は付加価値税を1%上げるごとに10億ユーロの損失と9000人の雇用を失うと見積もっています。自動車製造業界は今回の増税で今後5カ月間の販売減が2万台以上になると予測しています。

 観光業界はスペイン経済の11%を占めます。業界団体は声明で「スペイン経済回復へカギとなる戦略的部門への配慮を欠いた」と批判しました。

 与党、中道右派の国民党は昨秋の総選挙で付加価値税を増税しないと公約していました。首相は今回の発表にあたり、「環境が変わったので適応しなくてはならない」と正当化しました。

 首都マドリードには、石炭産業への補助金を3分の1に減らす計画が雇用の場を壊すと抗議し、炭鉱労働者数千人がそれぞれの鉱山から行進しながら集結していました。11日には増税、緊縮策に反対する労働者数万人がこれに加わり、抗議行動を繰り広げました。

 ユーロ圏と欧州連合(EU)の財務相会合は10日までに、最大1000億ユーロのスペイン銀行救済策と、同国の赤字削減目標(EU基準のGDP比3%)達成を14年へ1年繰り延べることで合意しています。ロイター通信は、今回の措置を救済措置と引き換えに実施したと見る識者の指摘を伝える一方、「増税は景気後退を深刻にする恐れがある」というアナリストの見方を伝えました。


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