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2012年7月12日(木)

社会保障推進法案に対する

田村智子議員の質問

参院本会議

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 日本共産党の田村智子議員が11日の参院本会議で行った社会保障制度改革推進法案に対する質問の要旨は以下の通りです。


 民主・自民・公明の「3党合意」による消費税増税と社会保障制度の改悪を許さない立場で質問します。

国の責務縮小

 社会保障制度改革推進法案は、社会保障の目指す方向として「自助・共助・公助の組み合わせ」「家族相互及び国民相互の助け合い」を掲げています。社会保障の土台を「自助努力」「家族などの助け合い」に置き換え、憲法25条にもとづく社会保障への国の責務・役割を縮小するものではありませんか。

 法案では、医療、年金、介護は社会保険制度を基本とし、国や地方の負担は補助的なものとします。

 「改革」の基本方針をみても、第6条医療保険制度では、これまでの政府方針文書に必ず記されていた「国民皆保険」の文言はなく、「療養の範囲の適正化」とあります。日本医師会は、国民皆保険とは医療保険加入だけでなく、医療の公的給付の範囲を守り、混合診療の解禁や営利企業の参入を許さないことだと、懸念を表明しています。

 第7条介護保険制度では、「給付の対象範囲の適正化」「介護サービスの効率化・重点化」を図るとしています。生活保護でも、非正規雇用の増大、無年金・低年金問題など貧困の要因はそのままに、給付額・給付対象の削減をあからさまに求めています。

 「国民皆保険」「介護の社会化」「最低生活の保障」などの原則が、なぜないのか。「健康で文化的な最低限度の生活」をすべての国民に保障する国の責務は、法案のどこに体現されているのか、お答えください。

小泉政権以上

 かつて小泉政権も、「持続可能な社会保障制度」を掲げ「自律・自助」を強調し、2002年から8年間、社会保障費の自然増を毎年2200億円削減しました。医療費3割負担による受診抑制、介護サービスのとりあげ、障害者自立支援法による1割負担導入などが、どれほど深刻な事態をもたらしたか。同じような給付抑制を消費税増税と合わせて行えば、国民はこの比ではない激痛に襲われることは明らかです。

 小泉政権の政策が日本社会に与えた影響をどう評価しているのか。同様の社会保障費抑制につながるのではないですか。

 法案は、社会保障の国と地方の財政負担は「消費税及び地方消費税の収入を充てる」としています。社会保障に使っていた一般財源が他の支出に回され、国民は常に消費税増税か社会保障切り捨てかを迫られることになります。

 そもそも逆進性の強い消費税を社会保障財源とすることが問題です。社会保障財源は応能負担原則でまかなうべきです。

 こうした「改革」の具体化は「社会保障制度改革国民会議」で検討するとしていますが、衆議院の審議では、3党協議の合意の努力の後に「国民会議の中でさらに詳細なことを決めていく」との答弁もありました。

法案は廃案に

 これでは、3党の協議・合意がまずあって、それに批判的意見は初めから排除することにならないか、国会軽視も甚だしく、これが国民的な議論といえるのですか。

 わが党は、消費税に頼らずに社会保障拡充の道があることを提案しています。3党のみの合意で、消費税増税と社会保障大改悪の道筋を敷くなど言語道断です。法案は廃案とし、各政党が堂々と国民に日本の将来像を提示し議論すべきです。


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