2012年7月12日(木)
オスプレイ 緊急着陸
米南部 飛行中 機体に故障
【ワシントン=小林俊哉】米海兵隊が沖縄・普天間基地への配備を計画している垂直離着陸機MV22オスプレイが9日、機体のトラブルのため、米南部ノースカロライナ州の民間空港に緊急着陸していたことが10日明らかになりました。複数の米メディアが伝えました。
それによると、ノースカロライナ州のニューリバー海兵隊航空基地に所属するオスプレイが9日午後、飛行中にドライブシャフト(回転軸)に問題が発生し、パイロットが緊急事態を宣言。同州のウィルミントン国際空港に緊急着陸しました。けが人はなく、原因は調査中だといいます。
事故を報じた地元メディアは、同機には長らく安全性についての問題が指摘されてきたと伝えています。
オスプレイは、今年4月に海兵隊所属機がアフリカ・モロッコで墜落したほか、6月には空軍所属機が米南部フロリダ州で墜落し、安全性への懸念が強まっていました。
今回、緊急着陸したMV22は普天間基地に配備される機種。米政府は、普天間基地への配備を前に今月24日にも、山口県の岩国基地に陸揚げする構えです。このほか、日本国内7ルートでの低空飛行訓練も計画しています。
解説
日本でも起きる可能性
米国内での民間空港緊急着陸は、日本でも同様の事例が発生する可能性を示しています。
米軍は日米地位協定により、年間数百回、国内の民間空港を使用しています。その中には緊急着陸も含まれています。また、2004年にはオスプレイと交代する予定のCH46ヘリが島根県での訓練の帰りに河川敷に緊急着陸する事故も起こしています。
藤村修官房長官は11日の記者会見で、今回のオスプレイの緊急着陸について「こうした緊急着陸、予防着陸は、オスプレイに限らず航空機や民間機を含んで少なからずある一般の事例だと理解している」と述べました。
“大したことはない”と言いたかったのかもしれませんが、逆に、オスプレイが民間空港に着陸する可能性は大いにあることを認めた発言です。 (竹下岳)