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2012年7月11日(水)

財界と一体で政権後押し

連合の矛盾 メディア注目

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 連合は2日、民主党の小沢一郎元代表ら多数の衆参両院議員が離党届を出した問題で「極めて遺憾である」とした南雲弘行事務局長談話を出しました。労働者、国民との約束を裏切って消費税増税法案成立に走る民主党・野田政権を支える立場から、小沢氏らの動きに不満を表明したものです。

 連合は、野田政権がすすめる社会保障切り捨て、消費税増税の「一体改悪」を全面的に支持し、バックアップしてきました。

 6月15日に民主、自民、公明の3党が社会保障改悪と消費税増税に合意したさい、「改革を一歩でも進めるためのもの」と容認する南雲事務局長談話を発表。法案が衆院で可決した26日には「与党内から反対が出たことは誠に遺憾」と造反議員を非難し、法案の早期成立を求める談話を出しました。

「以前は違った」

 「いまの連合は民主党政権がどんなひどいことをやっても賛成するだけ。以前はこうじゃなかった」。労働ジャーナリストのあいだでかつて連合がとった行動が話題になっています。

 1994年2月に非自民政権の細川護熙首相が、消費税を国民福祉税と名をかえて7%にする増税構想を打ち出したことがありました。連合はこの政権を「応援団」として支えていましたが、当時の山岸章会長は「増税は容認できない」と反対を表明し、連合内や当時の社会党に「徹底抗戦」を呼びかけ、撤回を求めました。

 この国民福祉税構想の仕掛け人が当時、新生党代表幹事だった小沢氏です。連合などの猛反発、徹底抗戦にあって、細川首相はついに構想を断念し、撤回しました。当時の新聞は「連合の強硬姿勢、背景に」(「毎日」94年2月6日付)と大見出しで報じました。

 以前はダメなものはダメという存在感がまだ残っていた連合が、いまは財界と一体となって政権を後押しするだけ。これで労働組合なのか―。連合加盟労組の組合員からもこうした疑問の声が出ています。

 連合の古賀伸明会長は6月28日、自民党の会合に出席して「今は民主党の応援団だが、どういうスタンスで応援していくか議論しないといけない時期が来る」と民主党支持を見直すかのような発言をしました。いまなぜ自民党にたいしてこんな発言をするのか。連合内外から疑問視する声が出て、古賀会長は今月3日に「民主党主軸」の関係を維持すると言明しました。

自民に助け求め

 自民党での発言は、「民主党内の分裂騒動への怒りのあらわれ」などの見方がありましたが、要するに、消費税増税関連法案を成立させたいあまりに、分裂状態で大混乱している野田政権への助けを求めたというのが正解だといわれています。そうまでして消費税増税をすすめたいということなのか。

 連合は、原発再稼働でも、環太平洋連携協定(TPP)参加でも野田政権を支持し、連合組合員を含む労働者、市民の反対運動に逆行しています。

 これにはスポーツ新聞も注目し、「民主とともに連合も自己矛盾」というコラムを掲載(日刊スポーツ6月29日付)。「民主党の旗を折った政策を批判もせず、与党のオーナーになったつもりか経団連気取りの労働組合『連合』は今後の労働組合活動を消費税賛成、原発再稼働賛成、自民党との連立賛成でどう組合員に説明していくのか。自己矛盾に組合員は大混乱に…」と報じました。 (昆弘見)


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