2012年7月8日(日)
大阪市職員政治活動制限条例案はねかえそう
市長批判 デモまで禁止
橋下「維新の会」の狙い暴く
大阪市の橋下徹市長が市職員の政治活動制限条例案や、労使交渉事項を限定する労使交渉条例案などを市議会に提出した6日、東京都内で「ストップ!ハシズム 橋下『維新の会』のねらいを暴く交流集会」が開催されました。橋下市長の逆流を許さないたたかいを全国から広げようと、130人が参加しました。主催は、全労連、大阪労連、自治労連、国公労連です。
交流集会開く
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全労連の小田川義和事務局長があいさつ。この日に提出された条例案で、橋下氏は労組や職員に対する市民の反感を利用して、弾圧を行おうとしていると批判。政治活動制限条例案では、橋下批判のデモも禁止されかねないとして、反撃を強めていくことが必要だと語りました。
小森陽一・東京大学教授、野田正彰・前関西学院大学教授、西谷敏・大阪市大名誉教授が講演。西谷氏は、橋下氏の誤った方向ではない、解決の方向の対案を出す必要があると語りました。
各労組の代表が実態を報告しました。大阪市労組の竹村博子委員長は、市民の生活、権利を守るために運動してきたとのべ、大阪だけでなく国民の権利を守るためにたたかうと表明。大阪教職員組合の末光章浩副委員長は、市長による教育介入を許さない世論が「オール教育界」に広がり、反撃ののろしが上がっていると発言しました。
閉会あいさつで自治労連の野村幸裕委員長は、公務員が住民の仕事をするために憲法15条があると強調。公務員を仮想敵とする攻撃に対して連帯してたたかおうとよびかけました。
公務員が「支配者の奉仕者」に
自治労連書記長 猿橋 均さん
政治活動制限条例案と労使交渉条例案について、自治労連書記長の猿橋均さんからコメントが寄せられました。
条例案では、政治的行為が列挙されていますが、その範囲はきわめて広く、何が禁止されるのか、わかりません。さらに、これを懲戒免職の対象としています。
公務員の仕事は、住民から見れば政治です。公務員が自らの業務にかかわって発言できなくなれば、国や自治体首長の施策にいいなりになってしまいます。このことは、市政の改善を求める住民運動にとっても、重大な障害をもたらします。
また、セットで出されている「労使関係条例」では、労使交渉で「管理運営事項」の交渉を禁止しています。「管理運営事項」は、行政のあり方、予算、機構、人員配置などですが、具体化すれば、労働条件にも深くかかわります。これを、労使の交渉で禁止することは、公務員労働組合の存在を否定するものです。
「政治活動制限条例」と「労使関係条例」はセットの条例であり、公務員を「全体の奉仕者」から「支配者の奉仕者」に転換するものです。抗議の集中など、2条例の成立を許さない運動をすすめます。
歴史に逆行する
自由法曹団が反対声明
自由法曹団(篠原義仁団長)は7日、大阪市の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」に断固として反対する声明を発表しました。
声明は、▽憲法21条で保障された集会、結社および表現の自由は、民主主義社会において最も基本的で重要な人権として、国家公務員、地方公務員を問わず、当然保障されなければならない▽条例案は公務員の政治的自由を基本的人権として認め、規制を緩和してきた歴史に逆行する―とし、制定を直ちにやめるよう要求しています。