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2012年7月8日(日)

主張

保育「新システム」

自公民の強行許さず、廃案へ

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 「強行採決された法案、絶対に、どんなことがあっても納得できません」―。こんな怒りの声が保育園の園長から寄せられています。民主、自民、公明3党が「子ども・子育て新システム」関連法案を消費税増税のための密室取引の材料にして強行採決したことに、その内容とともに民主主義と国民の意思をふみにじるやり方は許せないと、大きな怒りが広がっています。

市町村責任に大穴が

 民自公3党による「修正」は、小宮山洋子厚生労働相が当初の「8割実現」と語っている通り、「新システム」制度の根幹をほとんどそのまま引き継いだものです。

 マスメディアは、児童福祉法24条の市町村の保育実施義務が守られたと報道しました。確かに父母や保育関係者のつよい反対を受けて規定は残りました。しかし実施責任の範囲は限定され、市町村が責任をもつのは認可保育所のみであり、それ以外にも認定こども園や小規模保育、保育ママ等の多様な事業を計画にもとづいて確保すればよいとされています。

 重大なのは、現在は、国が半分、自治体が4分の1出している認可保育所の建設・改修費の補助金廃止が、そのまま盛り込まれていることです。これまでも政府は公立保育所への補助金を廃止、一般財源化し、公立保育所民営化の流れをおしすすめてきました。さらに私立保育所の整備費を廃止するならば、自治体は保育の公的責任を果たすことができません。財政的支援なしでは、震災後の不安のなか老朽化施設の改修も困難です。地方保育団体の幹部は、全国1万カ所以上の私立保育所を担ってきた社会福祉法人が「全てつぶれてしまう」とつよく危惧しています。

 幼稚園と保育所を一体化する「総合こども園」は表向き取り下げました。しかし代わりに拡充するとしている「認定こども園」は、保護者が希望する施設に直接申し込む直接契約、保育料も園が自由に決めるなど「新システム」の中身を先取りした制度です。看板のかけかえにすぎません。0〜2歳児の受け入れを義務付けるものではなく、低年齢児が8割を占める待機児童解消の保障もないのです。

 株式会社などの営利企業の参入促進や、施設や保育士配置などの基準を地方まかせにする方針も変わっていません。公的保育制度を改悪するための骨組みは、そのまま残されているのです。

 この1年、「新システム」反対の運動は急速に盛り上がり、あらたな共同も広がりました。背景には、働く女性の増加と保育の公的保障を求める要求の高まりがあります。また子どもの健やかな成長のため困難な中で日夜、献身的に保育を支えてきた保育関係者にとって、戦後築いてきた公的保育制度を守り発展させることは共通する切実な願いです。

わきあがる共同の力で

 「子どもによりよい保育を保障したい」と運動を支え、はじめて署名行動や国会要請にも足を運んだ若い父母や保育士たちは「たたかいはこれから」の思いでいます。

 消費税増税、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)に反対するたたかいが大きなうねりとなっています。日本共産党は、参議院で修正案の問題点を徹底的に明らかにし、国民にひろく訴え、国民全体のたたかいの力で廃案に追い込むまで全力で奮闘します。


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