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2012年7月7日(土)

きょうの潮流

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 原発事故のあと福島県から首都圏に避難している、女性たちの話をきく機会がありました。彼女たちは、「国に見捨てられたと思った」と口をそろえます▼仕事で身動きとれない夫に先立ち、2人の子どもと郡山市から避難したお母さん。彼女は当初、ガソリンが手に入らず足止めをくいました。いたたまれない気持ちで東京の実家に電話すると、母親がこういったそうです▼「テレビで国が『大丈夫』といっているから、あなたはそこでしっかり暮らしなさい」。「国に見捨てられた」と思った瞬間です。最近、チェルノブイリ事故を知った小学生の子どもが彼女にきいてきました。「外国でひどいことがあったのに、どうして日本では起こらないと思ったの?」▼別の女性は、福島県に戻った知人から「もう大丈夫だから帰ってこい」と誘われます。しかし、「帰れない」と彼女。「私はもう故郷に帰れないと分かっています。でも帰りたい。その夢を抱き続けてがんばって生きてゆきます」▼先日、こんな話も聞きました。福島で原発の安全神話は崩れたが、賠償も放射能の除染もすすまず、肝心の放射能の危険についてさえ語りにくい雰囲気がつくられている―▼おととい発表された国会の事故調査委員会報告は、「事故は終わっていない」と切り出し、放射能の影響をめぐって政府の情報の出し方を批判します。どの程度なら長い目で見て健康に大丈夫なのか、人によって影響はどう違うのかなど、住民が必要とする情報を示していない、と。


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