2012年7月6日(金)
仏、消費税(付加価値税)増税を撤回
富裕層へ課税を強化
フランス政府は4日、今年度補正予算案を閣議決定し、このなかで付加価値税(消費税に相当)の引き上げ撤回、富裕層への課税強化を打ち出しました。
付加価値税引き上げは、サルコジ前政権が雇用対策として今年10月からの実施を決めていたもの。現行19・6%を21・2%に上げる予定でした。
今年5月の仏大統領選挙では、国民負担の緊縮策を強いるサルコジ前大統領が敗北、反緊縮政策と成長戦略を掲げたオランド氏が勝利しました。付加価値税引き上げ撤回は公約具体化の一環です。
一方、富裕層や大企業への課税強化は、財政赤字削減の目標達成をめざすもので、72億ユーロ(約7200億円)を盛り込みます。
金融取引税も税率を0・1%から0・2%に引き上げ、富裕層の資産を対象とする「富裕連帯税」は13年からの引き上げを前倒しし、高額の相続や贈与、株主配当金への課税も強化する方向です。(松本眞志)
フランスの付加価値税 税率が19・6%、7%、5・5%、2・1%の4段階に分かれています。最高税率19・6%は、別の税率適用が定められた品目を除くすべての財とサービスの販売にかかります。映画・演劇・書籍などの文化や観光関係には7%、水や食料、ガスなどの必需品には5・5%が適用され、特別品目に分類される保険薬、新聞、テレビ受信料の税率は2・1%となっています。