2012年7月4日(水)
23区展開訓練を計画
300人規模 首都直下地震想定
陸自 今月16・17日
陸上自衛隊第1普通科連隊(練馬駐屯地、東京都練馬区)が、首都直下地震を想定し16、17の両日、東京23区全域の都立公園や区役所へ部隊が徒歩で展開する大規模な訓練を実施する計画が3日までにわかりました。関係自治体への説明などで明らかになったもの。
陸自が単独で23区内に大規模に部隊を展開する訓練は過去に例がありません。
訓練は第1普連が2012年度の「連隊災害対処訓練(23区展開訓練)」として計画しているもの。首都直下地震発生時に、車両で行けない現場に徒歩で移動し活動する要領を検証し、実効性を図るとしています。全体で324人が参加する計画です。
16日午後7時から練馬駐屯地を、地上偵察隊、無線の中継組、23区に派遣する連絡官(将校)、初動の救援活動を行う中隊・先遣小隊が出発し、9カ所の都立公園、3カ所の清掃工場、各区役所などへ進出。無線通信の確保や後続・増援部隊への引き継ぎ態勢を確立し、17日午前には訓練を終了する予定です。
第1普連は東京23区の災害派遣だけでなく有事の防衛警備も担当。今回の演習は、連隊長・本部の指揮下で、陸自の計画にもとづきその指揮命令系統を実際に動かす自衛隊単独の訓練です。
有事の作戦と共通
東京平和委員会の岸本正人事務局長の話 訓練の中身の偵察、先遣部隊の進出、連絡官派遣、通信確保などは有事の戦闘作戦とも共通しています。防災訓練の名目で、有事の際に部隊が展開する能力や自治体との関係を強化する狙いがあるのではないか。