2012年7月4日(水)
きょうの潮流
「どじょうは/ひたすら泥にもぐる/だから世界はおろか日本も見えない」。『詩人会議』7月号に載る、杉山ひろしさんの詩「どじょう」です▼「どじょうを自認する首相は/この国を泥沼にでもするつもりだろうか」と続きます。公約をどぶに捨てる、自民・公明との増税大連合。小沢一郎氏らの離党。少なくとも民主党政権は液状化し、泥沼のようです▼ドジョウは雑食で、水質の悪い環境に適応できる種もいるらしい。ドジョウには失礼ですが、一つの公約にこだわらず自公のよどみにすぐなじむ、ドジョウ総理の生態もうなずけます。緩い流れにすむホトケドジョウという仲間もいるとか。野田ドジョウは、小沢のような流れは苦手のようで…▼小沢氏が語っています。「3党合意は、政策の違いを国民に示し…選んでもらおうという二大政党政治…を根底から否定する」。二大政党づくりを使命と定めた政治家が認める、そのゆきづまりです▼財界や新聞・テレビは、「二大政党だ」「政権交代できる政治」とはやしたて、民主が政権交代を果たすと「決められない政治」とこきおろし、公約破りと3党連合づくりをあおります。そんな財界や報道機関の手のひらで踊る、ドジョウ総理と民主党です▼人の目を2党の不毛の“対決”に向けさせる二大政党づくり。杉山さんの言葉を借りると、人々が「世界はおろか日本も見えない」ように仕向けてきました。それがいま、あまりにも民意とかけ離れた政争の果てに、崩れつつあるようです。