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2012年7月1日(日)

きょうの潮流

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 おととい亡くなった俳優の地井武男さんは、1969年の映画「沖縄」で初めて主演をつとめました。土地を奪ったアメリカ軍に反抗する青年の役でした▼映画「あゝ野麦峠」やテレビドラマ「北の国から」でも、人情味あふれる男性像を人々の心に刻みつけた地井さん。4年前、東京の東村山市を訪れました。テレビ番組「ちい散歩」の収録です▼都内ただ一つの国宝建築があるという正福寺へ。どっしりした風格のお寺の、ご住職の気さくなこと。なんと、「ボクの初主演映画『沖縄』を見てファンになってくださったそうで、嬉(うれ)しかったねぇ」(新日本出版社『ちい散歩 地井さんの絵手紙』第3集)▼どこで、どんな出会いが待っているか分かりません。これだから、散歩はおもしろい。発見も多い。地井さんは、東京タワーがそびえる芝公園あたりを歩き、「タワーの建造に朝鮮戦争でスクラップとなった米軍の戦車の鉄も使われた」と知ります(同第1集)▼嘆き節もでます。「再開発の名のもと、経済効果のみ」の高層ビルが建ち続ける東京に、ヨーロッパのような景観をまもる「一千年の計」はないのか。それでも、街の人とうちとけ、店や職人の仕事場を訪ね、神社や寺に参り、木々の緑や花を愛(め)で、温かい気持ちで絵手紙をかく地井さんです▼飾らない人柄の地井さんならではの「ちい散歩」でした。けれど、改めて教わりました。生活を豊かにし、考える時を与えてくれる散歩は、人と世界をつなぐ回路の一つでもある、と。


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