2012年6月29日(金)
B型肝炎訴訟基本合意1年
厚労省前で原告・弁護団が宣伝
約束ほごにしないで
国による予防接種時の注射器使い回しのために被害が拡大したB型肝炎訴訟で、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、国との基本合意締結1年を迎えた28日、厚生労働省前で宣伝し、「一刻も早い和解・救済、恒久対策、真相究明を」と訴えました。
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「苦しんでいます。早く救ってください」「子どもの成人まで生きたい。死にたくない」「約束をほごにしないで」などの思いが書かれた300枚以上のオレンジ色のフラッグを携え、全国から150人を超える原告が参加しました。
「6個目のがんをとるために開腹しましたが、とれずに焼くという処置をしました」と自分の病状を語ったのは九州原告団副代表の榊原俊之さん(60)。なかなか和解がすすまない状況だといいます。「自分の責任でないことで生涯を決められてしまったことへの憤りから裁判に立ちあがりました。国はわかっていて予防しなかった。とても許せない」と話します。
大阪原告団の女性(46)は、「6月の初めに和解することができました。十数年前のカルテがたまたま残っていたので、早かった。ほかの原告の力になりたい」とビラを配ります。30歳で発症し、いまは慢性肝炎でインターフェロン治療中です。「恒久対策を真剣にやってほしい」
九州原告団の佐々木義明さん(64)は22年前に兄を肝がんで失いました。45歳でした。自身も肝がんになり、子どもからの肝臓移植で命をつなぎました。1年半かかって必要な資料を集め、昨年原告に。「私たちの苦しみの原因を明らかにしたい。一刻も早く和解を」と訴えます。
同日、衆参の厚生労働委員をはじめとする国会議員230人余を訪問。原告の思いを届けました。日本共産党は高橋ちづ子議員が応対し、原告を激励。懇談しました。
全面救済を党議員団要求
党国会議員団はB型肝炎被害者の全面救済をくり返し政府に求めてきました。
和解成立促進へ体制強化を
原告・弁護団 厚労相に要請書提出
全国B型肝炎訴訟原告団と同弁護団は28日、迅速な和解成立へ体制強化などを求める要請書を小宮山洋子厚労相に提出しました。
同訴訟は、幼児期の集団予防接種でB型肝炎に感染させられた被害者が国に損害賠償を求めていた裁判。昨年6月に和解が成立し1年が経過したものの、和解を求めて提訴した原告数は5000人を超えた状況で被害者総数の40万人余りの1000分の1にすぎないことから迅速な和解成立を要請したもの。
要請書は、約30人にすぎない国の担当者を抜本的に増やすこと、遅延の原因の一つとなっている和解に必要な資料提出を簡素化すること、国民への救済制度の周知徹底などを求めています。