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2012年6月29日(金)

主張

欠陥機オスプレイ

国民の不安に応え配備中止を

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 沖縄の米軍普天間基地に配備予定の垂直離着陸輸送機オスプレイは、沖縄県内だけでなく、本土各地でも低空飛行訓練をおこなうことが明らかになり、各地の住民が不安と怒りをつよめています。

 オスプレイは開発段階から墜落事故をくりかえし、4月にはアフリカ北部のモロッコで、6月にはアメリカのフロリダで墜落事故をおこしたばかりです。沖縄県民だけでなく、訓練が予定される本土各地の住民も危険にさらされるのは明らかです。日米両政府のオスプレイ配備計画をやめさせることがいよいよ重要です。

構造的欠陥が濃厚

 米軍はオスプレイ配備の環境審査報告書で、普天間基地に配備されるオスプレイが岩国基地(山口県)やキャンプ富士(静岡県)で飛行訓練することや、米軍が勝手に設定した飛行ルートで夜間も含めた低空飛行をおこなう計画を示しています。飛行ルートは東北地方に2本、北信越、近畿・四国、九州、沖縄・奄美に各1本の合計6本あり、これに中国地方のルートも加わる可能性があることが明らかになりました。

 米国防総省の報道官は25日、オスプレイを岩国基地を経由して普天間基地に配備する計画について、「予定通り」とのべ配備強行の方針を重ねて示しました。オスプレイの配備に反対している沖縄県民をはじめ、各地の住民の反対を踏みにじるものです。

 オスプレイは離着陸時にはヘリとして、水平飛行時にはプロペラ機として飛ぶ軍用機です。防衛省が26日に公表したアメリカから提供された情報で、モロッコとフロリダで発生した事故は二つともヘリモードから固定翼モードに切り替える途中で墜落した事実が明らかになりました。構造的な欠陥による疑いが濃厚です。

 米国防総省内の研究機関でオスプレイの分析にあたってきたレックス・リボロ氏は、エンジンが停止した際、風の力でプロペラが回転して墜落を避ける機能がないオスプレイは「米連邦航空局の安全基準を満たしていない」と指摘しており、民間機ならアメリカ国内で飛ぶことができない欠陥機です。「機体に不具合はない」と強弁して配備を強行することは、絶対に許されません。

 米軍機の爆音や墜落の危険でいまも苦しめられている沖縄では、県知事や県議会をはじめ41市町村長と議会すべてがオスプレイの配備に反対しています。「世界一危険」な普天間基地にもっとも危険な欠陥機を配備する日米両政府の企てに、沖縄県民が島をあげて反対するのは当然です。

 低空飛行訓練は、沖縄だけでなく本土の住民も危険にさらします。米軍機の低空飛行はすさまじい爆音を伴い、各地の住民を苦しめるものです。オスプレイの配備が、これまでも低空飛行訓練の中止を求めてきた住民の願いをふみにじる暴挙であるのは明白です。

沖縄と本土力を合わせ

 沖縄県民と本土住民が力を合わせて配備をやめさせるために、力をつくすことが求められます。

 日米両政府がオスプレイの配備強行に固執するのも日米安保条約=日米軍事同盟があるためです。安保をなくしてこそ、米軍基地強化の策動をやめさせ、基地そのものもなくせるという声を、全国に広げていくことが重要です。


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