2012年6月28日(木)
原発再稼働あおるメディア
背景に推進派との癒着
「原発ゼロ」の世論が大きく広がるさなか、一部の大手メディアは「原発再稼働」や「原発維持」などをあおっています。野田首相が原発再稼働を決めたことについて「高く評価したい」(17日付「読売」社説)「電力供給の正常化に向けた一歩と歓迎したい」(17日付「産経」主張)などとしました。
一部の大手メディアが原発再稼働をあおる背景には原発推進派との癒着があります。
東京電力の南直哉元社長は「産経」やフジテレビなどを傘下に抱えるフジ・メディアホールディングスの社外監査役です。
原発の業界団体である日本原子力産業協会の今井敬会長(経団連名誉会長)は日本テレビの社外取締役です。経団連の御手洗冨士夫前会長は「読売」の社外監査役。東電の荒木浩元会長はテレビ東京の社外監査役を務めています。テレビ東京の最大の株主は「日経」です。
資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で30年の発電量に占める原子力発電の比率を25%と主張した三井物産の槍田松瑩(うつだ・しょうえい)会長は「毎日」などと同じ系列である東京放送ホールディングスの社外取締役を務めています。
メディアと資本のつながりもあります。三井住友フィナンシャルグループの中核をなす三井住友銀行は、東京電力の株式を3592万7000株(2・66%)を保有する3番目の大株主です。さらに、9427億円を貸し付ける最大の融資先でもあります。
金融機関は東電福島第1原発事故に関連する負担を何ら求められていないばかりか、東電への融資の条件に電気料金の値上げと原発再稼働を掲げています。その三井住友フィナンシャルグループの株をテレビ朝日は5億3500万円分、「日経」は1億5000万円分保有しています。同グループの元社長である西川善文氏は、04年から現在もなお東京放送ホールディングスの社外監査役を務めています。