2012年6月28日(木)
事故のツケ 料金にかぶせるな
東電株主総会 経営陣に批判
「東京電力は(家庭向けなど)規制部門の電気料金の値上げを企図しているが、その算定根拠等が開示されないままでは、到底需要家の理解を得ることはできない」「事故を起こした隠蔽(いんぺい)体質、コスト意識に欠ける独善的な体質」―。東京電力の27日の株主総会では、福島第1原子力発電所の事故のツケを電気料金値上げで利用者に回そうという経営側に厳しい意見が出されました。
東電が政府に申請している家庭向け電気料金値上げの原価には、停止中の原発費用も含まれています。東電は、日本原子力発電と東北電力から、原発の電力を購入する契約を結んでいます。今後3年間で3000億円を支払う計画です。しかし、両社の原発は停止したままです。東電は、3000億円の経費を家庭向け電気料金の値上げで賄う計画です。
東電は他にも、稼働していない福島第1、第2原発の減価償却費や修繕費などの維持費も、電気料金値上げの原価に含めています。
東電の総合特別事業計画では、家庭向け電気料金の値上げとともに、2013年4月から順次、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)を再稼働させる方針です。
東電には株主総会後、1兆円の公的資金が投入され、原発事故の加害者である東電は救済されることになります。大株主や巨額の融資をして原発を推進してきた大手金融機関の責任は免れたままです。
株主総会に参加した株主の女性(62)は、「原発事故は、東電が起こしたものでしょう。電気料金の値上げはとんでもない話です。税金を受け取り、電気料金に(原発事故の費用を)かぶせるなんて許せない」と経営側を批判。群馬県から参加した株主の男性(77)も「金融機関に負担を求めないのはよくない」と述べていました。