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2012年6月28日(木)

主張

ツイッターデモ

再稼働は直ちに中止すべきだ

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 毎週末の金曜日夜、東京都心の首相官邸を取り巻くデモ。勤め帰りの労働者や主婦、若者らがツイッターなどでの呼びかけにこたえて三々五々集まり、官邸に向かって「原発再稼働はやめよ」「原発なくせ」と叫びます。最初は数百人だったのが、野田佳彦首相が関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働を決めるとともに参加者は数千人、1万人余と膨らみ、先週はついに4万5千人に達しました。首相官邸だけでなく、関西電力がある大阪など全国各地に広がり、24日には野田首相の地元、千葉県船橋市でも行われました。人呼んで「紫陽花(あじさい)革命」です。

国民の声聞くどころか

 野田首相は国会で、官邸を取り巻くデモについて聞かれ、「毎週金曜日に官邸周辺でデモが行われ、シュプレヒコールもよく聞こえている」と答えました。首相の地元船橋市のデモについても「よく承知している」と答えています。しかし、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決め、それを突破口に停止中の他の原発の再稼働も急ぐ首相の姿勢は、国民の声を聞く態度とはまったく無縁のものです。

 1年3カ月前、原子炉の炉心が溶融し、建屋も爆発して、大量の放射性物質を外部へ拡散させた東京電力福島原発の重大事故は、いまだに収まらず、原因究明も尽くされていません。原因究明も安全対策も、新たな避難計画もないのに、しゃにむに原発を再稼働させようという政府の態度が、地元住民だけでなく全国の不安をうけとめていないことは明らかです。

 大飯原発の再稼働にあたって、野田首相は、「二度と福島原発のような事故は起こさない」といいました。福島原発事故からどう教訓をくみ出し、どんな対策をとるべきなのか、具体的な中身を示さず「安全」をいいはるのは、「安全神話」の単なる繰り返しです。首相は夏場の「電力不足」などをあげて、再稼働は「国民生活を守るため」だといいました。しかし、安全が保障されない原発の再稼働を押し付けて、国民生活を「守る」などとはよくいえたものです。安心をいうなら原発からの撤退を決断し、節電や自然エネルギーの活用をすすめることこそ、国民の願いにかなっています。

 野田政権が再稼働を認めた大飯原発は、3号機から起動させる作業をはじめており、7月1日には原子炉から制御棒を引き抜く作業を始め、1週間ほどで核分裂が連続的に起こる臨界状態に達し本格的な運転にはいります。ひきつづき4号機も起動させる計画です。

 原発はいったん事故が起きれば生存を脅かす深刻な事態を引き起こすだけでなく、運転を始めたとたん使用済みになった核燃料がたまり始め、危険な放射性廃棄物が増え続けます。使用済み核燃料には原爆の材料になる危険な核物質が含まれています。出力が各118万キロワットの大飯原発3、4号機を1年間動かせば、広島型原爆2000発分の核分裂生成物を生み出す計算です。

取り返しつかなくなる

 人類にとって取り返しのつかない事態を招かないためにも、原発から撤退すべきです。野田首相は「紫陽花革命」と呼ばれるまでに広がった国民の声が聞こえるなら、国民を無視した無謀な原発再稼働は直ちに中断すべきです。


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