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2012年6月27日(水)

消費税大増税・社会保障改悪法案

高橋議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の高橋ちづ子議員が26日の衆院本会議で、消費税大増税と社会保障改悪の民自公3党「談合」法案に対して行った反対討論は次の通りです。


 私は日本共産党を代表し、消費税増税法案をはじめ8法案に反対の討論を行います。

 野田内閣は「社会保障と税の一体改革」と称して、7本の法案を一括して特別委員会に付託しました。ところが、公の審議の一方で水面下での3党協議を行い、21日新たな2法案や修正案を提出したのです。中央・地方公聴会での意見や重ねてきた議論も全く無視して、「3党合意したから採決を」と迫り、わずか13時間余りの審議で採決を強行しました。3党が合意すれば何でもできるなら、国会の自殺行為であり、断じて認められません。

 第一に、消費税増税法案はもともと公約違反の法案です。消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%という大増税とあわせ、国民にはこれまでにない20兆円もの負担増がおしつけられます。消費を冷え込ませ、日本経済に重大な影響をもたらすことは明らかです。

 消費税が最悪の欠陥税制だということはハッキリしました。所得の低い人ほど負担の重い逆進性があること、中小企業など、税率を価格に転嫁できず身銭を切らざるを得ない実態があること。これらは政府自身が認めていながら、具体策は何も示されませんでした。

 また、消費税が全額社会保障にあてるというのはみせかけで、他の経費に置き換わるだけだということが明らかになりました。

 しかも、3党修正で、高額所得者へのわずかな負担増さえ削除され、結局、消費税増税だけが突出したのです。国民の7割に及ぶ反対の声を無視した暴挙を許すことはできません。

 第二に、3党合意において、自民党、公明党は、最低保障年金制度の撤回を迫り、今後の公的年金制度、高齢者医療制度については「3党協議を経て」というしばりまでかけてしまうという異常な対応でした。一方、後期高齢者医療制度の廃止をかかげて政権交代を果たした民主党が、いまや「高齢化が社会保障費を増大させた」として公約を事実上断念するばかりか、増税やむなしの口実に高齢者をねらいうちにしていることは、最も重大な裏切りだといわなければなりません。

 なお、今回の被用者年金一元化法案は、保険料を引き上げ、年金給付水準は一方的に引き下げるもので、反対です。年金受給の条件となる加入期間を25年から10年間に短縮したこと、男性にも遺族年金を支払うことなど、いくつかの改善点はあります。しかし、無年金低年金問題の根本的な解決のためには、最低保障年金を確立して年金額を底上げすることが必要です。特例水準の解消やマクロ経済スライドをやめ、減らさない年金にするべきです。もちろん、消費税を財源にすることはもってのほかであります。

 第三に、政府案の子ども・子育て新システムは、保育に企業の参入を進め、国や自治体の責任を大きく後退させるものです。子どもの安全・安心が脅かされるおそれがあり、待機児童解消も期待できません。

 3党合意による修正案は、政府案とほとんど変わりません。「総合こども園」とよんでいたものが「幼保連携認定こども園」におきかわったに等しいものです。待機児童対策は、株式会社の参入要件を若干厳しくし、多様な主体を「認可」することによって受け皿を増やそうとするもので、政府案と基本的に同じです。

 市町村の保育実施義務を明記した児童福祉法24条を残したことは、保育関係者、保護者の切実な声を一定反映したものです。しかし、保育を介護保険のような直接契約にしてしまう新システム法案がほぼ原案どおり残ったため、事実上骨抜きにされました。

 いまやるべきは、新システムは撤回し、国と行政の責任で認可保育所を増やし、公的保育制度を充実することです。

 第四に見過ごせないのは、自民党の基本法案を原案としてつくられた社会保障制度改革推進法案です。

 法案には、「社会保障」を単なる負担の見返りという保険制度に変え、自助を基本に、共助、公助で補完するという考え方がつらぬかれています。人間らしく生きる権利と、その実現のために国の責任を明記した憲法25条を真っ向から否定するものです。

 医療、介護、年金をはじめとする社会保障制度の今後の在り方について、新設する社会保障制度改革国民会議の議論にゆだねました。これは、3党協議と有識者の会議の結論を国会に押し付けるものであり、国会の議論は全く形だけのものになりかねません。

 重大なのは、生活保護の「厳格化」と給付水準の「適正化」の検討が付則に盛り込まれたことです。いまでも稼働能力や扶養義務については厳しい調査が求められ、命さえ絶たれる最悪の事態も続いています。これ以上の厳格化や引き下げは絶対にやめるべきです。

 最後に、今被災地からは消費税増税に反対、不安の声がたくさんよせられています。「やりくりが大変です。これ以上消費税をとられたら生活できません、国民の苦しみがわかる人が政治をしてほしい。賢く選挙権を行使していかなければと思っています」

 消費税増税、原発再稼働やTPPなど、民主党政権にも、3党の談合政治にも、白紙委任したおぼえはありません。総理がいまやるべきは、解散して国民に信を問うことです。

 以上で反対討論を終わります。


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