2012年6月27日(水)
オスプレイ 高い事故率
米情報で判明 晴天弱風でも墜落
防衛省は26日、今年4月と6月に発生した米軍の新型垂直離着陸機オスプレイの墜落事故について米側から提供を受けた情報を公表しました。この中で6月に米フロリダ州で墜落した米空軍のCV22オスプレイの事故率(10万飛行時間当たり)は13・47で、事故率の高さが問題にされてきた米海兵隊の垂直離着陸機AV8Bハリアーの6・76の約2倍にも上ることが明らかになりました。
最終的な事故調査は、4月の事故については7月下旬、6月の事故については8月末までに完了が見込まれるとしています。防衛省の発表によると、6月のCV22の墜落事故は、13日の日中、通常の空対地射撃訓練を実施するため、転換モード(両翼のプロペラを斜め前方に傾けている状態)で低高度を飛行中に発生しました。天候は晴れで弱い風が吹いていたとされます。パイロットはオスプレイでの飛行時間が554時間になる経験者。機体は飛行前に整備されていました。
事故原因は調査中ですが、事故機が所属する部隊の司令官は「設計に根本的欠陥を疑う理由はない」としています。しかし、今回明らかにされた情報は、通常、墜落事故など起こり得ない状況の下でも、オスプレイがいつでも事故を起こし得る危険性を持っていることを示しています。
4月11日にモロッコで発生した米海兵隊のMV22の墜落事故については、ホバリング状態から両翼のプロペラを前方に傾けていた時に、追い風を受け、事故機の縦軸周辺に回転の力が働いたとされます。「機体に機械的な不具合はなかった」としていますが、これも墜落事故が容易に起こり得ることを示唆しています。