2012年6月26日(火)
論戦ハイライト
衆院特別委 高橋議員の質問
25日の衆院社会保障・税特別委員会で、民自公3党合意をとりあげた日本共産党の高橋ちづ子議員。国民への公約を投げ捨て、社会保障制度の改悪をねらう問題点が浮き彫りになりました。
民・自・公の“3党合意” 国民無視は重大だ
子ども・子育て支援 修正案 待機児解消にならない
苦しい「言い訳」
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高橋氏は、自民や公明が機関紙で“3党合意で民主党のマニフェストは撤回された”と書いていることを指摘。自公の法案提出者は「実務者レベルではそういう議論はなかった」としたものの、公的年金制度や高齢者医療制度は「3党合意にもとづいて議論がすすめられる」と、事実上の撤回であると認めました。民主党の長妻昭氏は「ねじれ国会では協力がないと法案が一本も通らない」と言い訳しました。
高橋氏は、将来の政策にも合意が必要になると述べ、次の選挙でマニフェストに何を書いても、自公の了解がなければ実現できないとして、「入口は別でも出口は一緒。国民を無視した重大な合意だ」と批判しました。
高橋氏は、最低保障年金は国連(人権委員会)から導入を勧告され、政府は2009年「最低保障年金を含む新たな年金制度を創設する」と報告していることを示し、「暮らせる年金制度はまったなしだ」と強調。給付水準をデフレ下でも毎年切り下げるマクロ経済スライドの実施は許されないと主張しました。
さらに高橋氏は、所得に対する税・社会保険料負担率のグラフをかかげ、高額所得者ほど負担率が低いことを指摘。「こうしたことに目をむけることで、消費税ではない財源も見えてくる」と述べ、富裕層に応分の負担を求めるべきだと主張しました。
子ども・子育て支援はどう変わったか―。
高橋氏の質問に自民党の馳浩衆院議員は、政府案の「総合こども園」は0〜2歳児の入所を義務づけておらず、待機児童解消にならないことなどをあげて反対だと答えました。
高橋氏は、修正案で拡充するとしている「認定こども園」でも3歳未満児の入所は義務づけておらず、「待機児童解消にならない点は同じだ」と強調しました。
高橋 新しく、公的な認可保育所を増やすのか。
田村憲久衆院議員(自民) 質のいい株式会社は認可する方向で増やしていく。
高橋 政府案は容認できないというが、修正案もほとんど違いがない。株式会社の質が少しよくなる程度だ。
高橋氏は、市町村が保護者の保育の必要量を認定し、入所は直接申し込むという政府案の最大の問題点が手つかずで残っていると追及しました。
田村氏は、自治体から保育所に委託費が支払われているので直接契約にはならないと言い訳しましたが、高橋氏は「『当分の間』と法案に書いてある」とのべ、限定的だと指摘。田村氏は「児童福祉法24条で市町村の実施義務を残したため、変わらない」と苦しい答弁に終始しました。
高橋氏は、保育が介護保険と同様に時間数で利用者を区分する仕組みになると指摘。「認定こども園」も幼稚園ももともと直接契約であり、保育も現行制度と変わらないと主張するなら法案は廃案にすべきだと強調しました。
「自己責任」追及
高橋氏は、3党合意で新たに提出された社会保障制度改革推進法案が、「自助」「自立」の名で国民に「自己責任」論を押し付ける内容になっていることを追及。
法案では社会保障の基本を社会保険方式としていることをあげ、「社会福祉も『自己責任』とする小泉『構造改革』の再来につながりかねない」と批判しました。