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2012年6月25日(月)

3党合意で崖っぷち野田政権

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 延長国会冒頭から野田民主党政権は剣が峰に立たされています。世論の多数派を押し切って消費税増税、原発再稼働を強行突破する構えだからです。今週にも予想される衆議院での消費税増税法案の採決にあたって民主党内からも反対票を投じる議員が多数出そうな雲行きです。


 4日の内閣改造から3週間。政権浮揚の「カンフル剤」と期待された改造効果は「ゼロ以下」というのが永田町の大方の見方です。

 むしろ内閣改造後の原発再稼働方針決定、消費税増税法案成立をはかる民主・自民・公明の3党合意、国会会期延長をめぐる混迷で、野田内閣の統治能力と求心力の低下が目に見えてきました。

政権揺らぎ加速

 野田政権が混迷を深め政権基盤の揺らぎを加速したのは3党合意です。

 3党合意は、消費税増税法案と戦後の社会福祉政策の立場を放り投げる「社会保障制度改革推進法案」の二つを抱き合わせて成立の約束を交わしたもの。野田政権は「社会保障と税の一体改革」の名で消費税増税を推進したものの、世論多数の支持が得られずに行き詰まったあげく、自公に助けを求め、消費税増税貫徹と引き換えに社会保障は自公路線に全面譲歩で合意にこぎつけました。

 自民党の安倍晋三元首相は、23日に出演したテレビ番組で「結果としては大きく野田さんの延命に手を貸したことになる」(BS朝日「激論!クロスファイア」)とのべ、3党合意は、自公両党が投げた野田政権への救命ブイ(浮袋)だったとの見方を示しました。

抱え込んだ弱み

 民主、自民、公明3党は、衆議院で89%、参議院で86%の議席を占めます。大政翼賛会は戦時中の1942年4月総選挙の結果、81%の議席占有率でしたが、民自公3党連合は、当時以上の独裁体制といえます。

 しかし3党合意で、民自公3党はそれぞれのっぴきならない弱みを抱え込んでしまいました。

 民主党は、2年9カ月前に政権を奪取した相手の自民党に全面屈服したツケで、次の総選挙をまともに戦えない立場に追い込まれました。おまけに党内で消費税増税に反対する勢力を膨張させてしまいました。

 一方、自民党は消費税増税で野田政権の延命に手を貸してはみたものの、解散の確約は取れず、党内は波乱含みです。民主党と一体化を深めたことから存在感を薄め、政権奪還に向けた政権戦略も立てにくい状況に陥りました。

 公明党は21日の中央幹事会で、各議員から3党合意で支持者らから「唐突だ」「ちゃんと説明してほしい」など不満の声を浴びたとの発言が相次ぎ、山口那津男代表が「これからが勝負だ」と鎮静化をはかる一幕があったといいます。根っこには、社会福祉の全体像が示されなければ消費税増税の話に乗れないと言い続けてきた同党が態度を豹変(ひょうへん)させて増税容認へ急旋回したことへの反発があります。

 3党合意後の世論調査では、今国会で消費税増税法案成立は支持しないが60%強(日本テレビ)。採決強行は、3党それぞれに深刻な事態をもたらすのは避けられません。世論が示す道理にそって3党合意路線は即座に解消すべきでしょう。


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