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2012年6月24日(日)

大統領に弾劾決議

「民主主義に傷」市民ら抗議

パラグアイ

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 【メキシコ市=松島良尚】南米パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領が22日夕、上院の弾劾決議によって罷免されました。大統領の反論を事実上封じた即決ともいえる決議に対し、国民の抗議活動が高まっています。

 現地からの報道によると、弾劾審理でおもに問われたのは、土地を不法占拠していたとされる農民と警官が衝突し、17人の死者が出た15日の事件に関する責任です。大統領が占拠問題に適切に対応せず、農民をあおったとされました。

 審理は大統領を一方的に中傷する文書にもとづいて行われ、大統領の弁護側に与えられた反論時間は2時間だけでした。事実関係の調査は一切ありませんでした。出席した上院議員43人(定数45)のうち39人が弾劾に賛成しました。

 ルゴ大統領は弾劾決議を受け、「議会の決議には従うが、パラグアイの民主主義は深く傷つけられた」と述べました。

 国会周辺には、弾劾決議に抗議する市民が集結しています。警官隊が放水などで散会させても、再び集結する事態が続いているもようです。

 パラグアイは1993年、35年間の軍事独裁政権を経て民政移管しました。2003年に民主的といわれる選挙が実施され、08年の選挙でルゴ元司教が当選。医療の無料化や汚職の摘発など一定の成果をあげてきました。

 しかし、上下両院とも少数与党という困難に加え、貧困対策の重視や南米の革新政権との連携などに対し保守派からの反発を受けていました。

 新大統領には、保守・真正急進自由党のフランコ副大統領が昇格します。大統領弾劾に異を唱えませんでした。


 パラグアイ 1811年にスペインから独立。首都はアスンシオン。南米中央に位置し、面積は40万6752平方キロと日本よりやや広く、人口は656万8千人。農業国で、主要輸出品は食肉、大豆。公用語はスペイン語、グアラニ語、国民のほとんどがキリスト教徒で、うち92%がカトリック。

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