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2012年6月24日(日)

主張

米軍オスプレイ

何がなんでも配備強行なのか

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 墜落事故をくりかえし、沖縄の全自治体が反対決議をあげても、配備計画を変えようとしない―米軍の最新鋭輸送機オスプレイの普天間基地への配備強行に県民の怒りが噴き上げています。

 野田佳彦首相は沖縄の「慰霊の日」式典に参加して、「基地負担の軽減」とはいったものの、県民が強く求めている普天間基地の撤去やオスプレイ配備中止には言及しませんでした。県民が危険にさらされる重大問題なのに、配備強行の姿勢を変えない政府の態度に県民の怒りは当然です。

もっとも危険な欠陥機

 オスプレイは、4月にアフリカ北部のモロッコで墜落したのに続き、6月にもアメリカのフロリダで射撃訓練中に墜落しました。2カ月で2度も続けてオスプレイが墜落したというのに、日本政府はアメリカに情報提供を求めるだけで、県民の配備中止要求を取り次ぐことさえしていません。

 日本政府は、モロッコでの墜落では「機体に不具合はない」とアメリカの説明をおうむ返しにいうだけです。米軍は配備計画を変更しないと繰り返しています。

 オスプレイは7月末には山口県の米軍岩国基地に持ち込まれ、8月中旬には普天間基地に配備される予定です。いまでも米軍機による爆音被害と墜落などの危険を押し付けられている沖縄県民が、危険なオスプレイの配備に懸念を募らせるのは当たり前です。

 県民は地元紙の世論調査でも9割がオスプレイ配備に反対しています。17日に普天間基地がある宜野湾市で開かれた市民大会には5200人が参加し、配備中止と普天間基地の「固定化」反対、早期閉鎖・返還を要求する決議をあげました。これまでに沖縄県議会をはじめ県内41市町村の議会と首長がすべて反対しています。政府は米軍いいなりをやめ、アメリカにオスプレイ配備の中止を申し入れるべきです。

 オスプレイは離着陸時にはヘリとして、水平飛行時にはプロペラ機として飛ぶ輸送機で、開発段階から墜落を繰り返してきた欠陥機です。飛行中にエンジンが停止したさい、普通のヘリのように機体の降下による空気の流れでプロペラを回し、浮力を得て着陸する「オートローテーション」機能がありません。エンジンが停止すれば、機体をコントロールできずに、墜落するしかありません。民間機なら許されない構造的欠陥です。日本に配備するなど論外です。

 しかも、普天間基地に配備されれば沖縄県内を飛び回るだけでなく、本土の東北地方や北信越、近畿・四国、九州などで夜間を含めた低空飛行訓練を行う計画です。沖縄県民も本土の住民も墜落の危険にさらされるのは明白です。いつ、どこで墜落するかもわからない欠陥機を、普天間基地に配備させるわけにはいきません。

安保なくしてこそ

 政府がオスプレイ配備を受け入れ、米軍基地を強化する背景には日米安保条約=日米軍事同盟があります。安保は軍事、政治、経済をアメリカに縛り付けている元凶です。安保条約をなくせば基地もなくせ、外交でも経済でも新しい展望を切り開くことができます。

 オスプレイの配備の中止を求めて力を合わせるとともに、いまこそ安保をなくす国民的多数派の実現へ力をつくすことが重要です。


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