2012年6月23日(土)
大増税だけが残った 公約投げ捨てた3党合意
衆院特別委 佐々木議員が追及
「血も涙もない3党合意」―。日本共産党の佐々木憲昭議員は22日の衆院社会保障・税特別委員会で、民自公3党「合意」を取り上げ、税制では消費税大増税だけが残り、社会保障では大改悪まで狙うものだと追及しました。論戦ハイライト
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佐々木氏は、3党合意文書で、公的年金や後期高齢者医療制度の改革について「あらかじめ3党間で協議する」とされていることを示し、「最低保障年金や後期高齢者医療制度廃止の民主党の公約は自民、公明が了承しない限り、実行できない」と指摘。法案提出者の野田毅議員(自民)は「その通り」と答え、長妻昭議員(民主)は「政権交代のたびに制度が変わると迷惑がかかる」と公約投げ捨てを言い訳しました。
さらに、佐々木氏は3党が新たに提出した社会保障制度改革推進法案は「自助」「自立」を社会保障制度の基本にすえるものになっていると追及。鴨下一郎議員(自民)は「自民党の哲学が貫かれている」と述べました。
佐々木氏は、憲法25条の生存権を否定するものだと強調。また、社会保障について「消費税収を主要な財源とする」と明記していることをあげ、増税も社会保障の削減も実行する重大な仕組みをつくろうとするものだと批判しました。
さらに佐々木氏はわずかばかりの高額所得者への所得税や相続税の強化も3党合意で削除されていることに言及。政府は所得税は累進的になるといっていたとして「前提も崩れている」と追及すると、安住淳財務相は「来年、再来年にやる」と答えるのが精いっぱい。さらに、10%増税時の低所得者対策についても先送りされ、中小企業が消費税を転嫁できない問題についても実効性がある対策が何一つないと迫ると、古本伸一郎議員(民主)は「これまで以上に厳格に監視、取り締まる」としか答えられませんでした。
佐々木氏は「所得再分配機能も否定され、消費税増税だけが残った」と批判し、こんな重大な3党修正・新法をろくな審議もせず採決することは到底、認められないと強調しました。