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2012年6月20日(水)

論戦ハイライト 原子力規制委法案 市田書記局長の追及

市田氏 原発40年制限さえ撤廃か

環境相 投資の資産価値なくなる

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 「福島原発事故の教訓が生かされているのか」。19日の参院環境委員会で原子力規制委員会設置法案を追及した日本共産党の市田忠義書記局長。原子力規制委員会がまともな規制機関と呼べず、再稼働をすすめる論拠もないことが浮き彫りとなりました。


写真

(写真)質問する市田氏(右端)=19日、参院環境委

 市田氏は、原子炉の運転期間を原則40年、最大60年としていた政府案に技術的裏づけはないと指摘。民自公3党案ではその原則40年の制限さえ事実上撤廃することになると批判しました。

半永久的に容認

 市田 なぜ20年も延長できるとするのか。

 細野豪志環境相 (原則40年の運転制限には)業界からかなり厳しい批判があった。大変な設備投資をしたのに(資産)価値がなくなる。

 市田 40年ならいいという立場ではないが、法案では発足後の規制委員会で「速やかに見直しを検討する」としている。この40年廃炉さえも骨抜きにし、半永久的に稼働を容認することにつながる。

 政府が再稼働を決めた関西電力大飯原発(福井県おおい町)。市田氏は、いまだにフィルター付きベント設備や免震重要棟の設置など、30項目の安全対策の多くが先送りされていると指摘しました。

 市田 対策を先送りした再稼働の安全基準は、福島原発事故の教訓を生かしたとは到底いえない。

 環境相 専門家に意見を聞いたが、ベントが必要になる状況は相当考えにくい。

 市田 フィルター付きベントの工事が始まった原発はあるのか。

 環境相 工事が具体的に始まったという状況ではない。

 まともな安全対策を示せない細野氏。市田氏は、「大飯原発には、福島原発のような事故のさいに作業員が寝泊まりする施設もなく、最小限の必要な対策も先送りしている」と批判しました。

 市田氏は、規制機関は原子力推進機関と分離し、許認可権などの強力な法的権限をもつことが不可欠だというのが国際的常識であり、日本が批准している「原子力の安全に関する条約」にも明記されていると指摘。原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が原発メーカーから多額の「寄付」を受けてきた実態も示し、「原発利益共同体」「原子力ムラ」との癒着を断たなければ「審査の中立性の確保とは程遠い」と指摘しました。

「原発ゼロ」を

 市田 民主党は2009年の総選挙マニフェスト(政権公約)では「独立委員会方式」を掲げていた。日弁連の意見書も「直接、間接を問わず他機関の影響を受けない独立機関とすべきだ」と求めている。環境省は地球温暖化対策と称して原発推進の一翼を担ってきた。

 環境相 原発推進官庁が環境省だとは思っていないが、温暖化の手段として(原発を)活用してきた面があったのは紛れもない事実だ。考え方を転換しなければならない。

 市田氏は、福島原発事故後にドイツが2022年末までの原発撤退完了を決めたことも示し、日本こそ事故の教訓を学び「原発ゼロ」を政治決断すべきだと主張しました。


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