2012年6月20日(水)
消費税大増税に加え、社会保障大改悪
議会制民主主義を壊す暴挙やめよ
民自公3党合意 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は19日、国会内で記者会見し、民主・自民・公明3党合意にもとづく消費税大増税と社会保障大改悪の法案について、次の見解を表明しました。
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一、民自公3党は、密室談合で「合意」した、政府提出の「一体改革関連法案」の「修正案」と、「社会保障制度改革推進法案」を、共同提案し、21日までに衆院で採決を強行しようとしている。これは3党が密室で合意すれば、国会での審議は必要ないという議会制民主主義を蹂躙(じゅうりん)する暴挙であり、強く批判したい。
一、政府提出の「一体改革関連法案」の「修正案」は、消費税10%増税をそのまま押し付けるものとなっている。その一方、「所得再分配機能を高めるため」として政府案に盛り込まれていたわずかばかりの高額所得者への所得税、相続税の増税が削除されるなど、消費税大増税だけをむき出しで押し付けるものとなっている。
国民の5〜6割が反対する消費税大増税法案を、さらに改悪し、問答無用で強行するなど、絶対に許すわけにはいかない。
一、くわえて、重大なことは、自民党の対案をもとに「合意」された「社会保障制度改革推進法案」なるものは、社会保障の基本理念、医療、年金、介護、生活保護など各分野での「改革」の方向を規定したまったくの「新法」であるということである。
そこでは、社会保障の「基本的考え方」として「自助」「自立」を基本にすえ、社会保障の公費投入を縮減し、国の責任で社会保障の増進をはかることを義務づけた憲法25条を真っ向から否定するものとなっている。しかも、公費の財源については「消費税収を主要な財源とする」と明記するなど、「消費税増税か、社会保障削減か」の選択に国民を追い込むものとなっている。
このように、この法案の内容は、自公政権時代にすすめられた「構造改革」の名による社会保障の連続改悪路線をよりひどい形で復活させ、それを法制化しようというものである。
社会保障の基本理念や制度の全体像を方向づける法律は、戦後今日に至るまでつくられていない。社会保障の基本理念にかかわる、まったくの「新法」―憲法25条を真っ向から否定する「新法」を、3党の密室の談合で「合意」したからと、国会会期末にいきなり提出し、国会での審議をまったくせずに採決しようなどということは、議会制民主主義を破壊する前代未聞の暴挙である。
一、消費税大増税にくわえ、社会保障の大改悪を推進する「新法」を、この機に乗じて押し付けることは、二重に議会制民主主義を破壊する暴挙であり、文字通りの「火事場泥棒」そのものである。
日本共産党は、消費税大増税法案、社会保障大改悪法案を、21日までに採決するという民自公3党の暴挙に強く反対し、これらの悪法の廃案を強く求めてたたかう。
民自公3党以外の野党各党とも、議会制民主主義を守るという一点での共同は可能であり、この暴挙を許さない立場で、共同のとりくみを追求したい。
会期延長に反対
日本共産党の志位和夫委員長は19日、国会内で記者会見し、国会の会期延長について記者団から問われ、「消費税大増税法案を押し通すことを目的とした延長には反対だ」と述べました。
志位氏は「消費税増税法案は3党合意で『修正』された。社会保障改悪法案はまったくの『新法』だ。当然、徹底審議が必要だが、今国会はその時間が残されていない。そうである以上、会期を閉じて廃案にすべきだ」と主張しました。