2012年6月18日(月)
被災地子ども 心のケアこれから
1日1時間の外遊びのみも
シンポジウム
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NPO児童虐待防止全国ネットワークと財団法人こども未来財団は17日、東京都内で、東日本大震災で被災した子どもに必要な支援を考えるシンポジウムを開き、220人余りが参加しました。
大震災後、専門職による子どもの心のケアチームを率いて各地で治療にあたった宮城県子ども総合センター所長・児童精神科医の本間博彰さんが講演。復旧・復興が進まず、住民の心をむしばむ事態が続いていることをのべ、「ケアが必要な子どもへの支援が届かない社会的ネグレクト(養育放棄)の状態をつくってはならない」と訴えました。ケアの舞台が保育園や学校へ移る中、保育士や教員、保護者と子どものつながりをつくることを強調しました。
シンポジウムで、鈴木崇之東洋大学准教授は、地震と津波、放射性物質汚染被害に苦しむ福島県の現状を報告。福島第1原発北西58キロにある児童養護施設・福島愛育園の子どもはいまだに1日1時間の外遊びしかできず、除染費用が施設の大きな負担になっている、とのべました。
フリージャーナリストの小宮純一さんは、甚大な津波被害を受けた沿岸部を精力的に取材してきました。義援金など一時的な物的支援があったものの、贈られた対象は一部の被災者であり、「多くの家族、子どもたちが『被災者』として生活を送り、心のケアを求めている」と訴えました。